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外為マーケットコラム

アジア通貨高の場面でもドル・円の下値は堅い

 ドル・円相場は8月31日の二ューヨーク外為市場で1ドル=117.49円まで上昇し、約1カ月半ぶりの高値をつけた。しかし8月に同市場でつけた高値117.88円を試すことなく、反落した。今月1日に発表された8月の米雇用統計で非農業者部門の就業者数が前月比12万8,000人の増加にとどまり、雇用情勢の好況の目安とされる15万人増加を5カ月連続で下回ったことで利上げ見送りムードが強まったためだ。4日には日本の4−6月期の法人企業の設備投資が前年同期比+16.6%となったことで円が買い戻されることになり、115円台半ばまで下落した。シカゴマーカンタイル取引所(CME)で大口投機家の円の売り玉が過去最大水準まで膨らみ、円の強気材料に敏感に反応しやすかったことも円の反発要因となった。しかしドルの下値は限られており、中国人民元が対ドルで昨年7月切り上げ後の最高値を更新し、フィリピン・ペソが対ドルで5年ぶりの高値をつけるなど、アジア通貨の上昇が目立つ場面でも円にとっては追い風とはなっていない。

【テク二カル要因は中立】
 テク二カル要因を見ると、50日移動平均線が通っていた1ドル=115.70円台を一度下抜いたが、115円の節目を試す前に反発した。7日現在、東京外為市場でのドル・円相場の50日間の相対力指数(RSI)はほぼ50で推移し、オシレーター系のテク二カル指標は中立を示唆している。
 今後の注目されるイベント、統計は日銀金融政策決定会合後の福井日銀総裁会見(8日)、7月の米貿易統計(12日)、8月の米財政収支(13日)、8月の消費者物価指数、鉱工業生産高・設備稼働率(15日)が挙げられる。

(オーバルネクスト/森 成俊)

2006年9月7日

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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