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外為マーケットコラム

サブプライム市場って??

 13日の米国株式市場の急落で話題になったサブプライム市場とは、米国において年収25000ドル(日本円で約300万円)以下の所得層やクレジット履歴に問題があり信用リスク(貸し倒れリスク)が高い顧客向けの金融市場です。FRB(連邦準備制度理事会)の推定では、米国における年収25,000ドル以下の低所得者層は約 3,900万世帯であり、全世帯の37.4%を占めています。景気の拡大に伴う失業率の低下で信用リスクは低下し、この巨大な市場をターゲットとした住宅ローン会社は規模を急速に拡大してきました。年収300万円で住宅ローンを組むなんて日本では考えられませんよね! また、一部の人気住宅ローンは、借り手が月々の返済を繰り延べたり、短期的に低く設定した割引金利の期間を延長したり、資金状況の詳細な書類提出を省くなど、さまざまな特典を認めているものもあったようです。

【住宅市場から波及する景気後退懸念】
 米国経済の拡大にともない、FRBは2003年の1%から現在の5.25%まで金利を引き上げました。そして最近になって金利の上昇で支払いを期日通りに行えない住宅購入者が徐々に増加していることが懸念され始めました。一部の地域では不動産価格は既に頭打ちしており、今後不動産市場が冷え込んだままとなれば、資産の目減りから個人消費も減退し、米国全体の景気が後退するという懸念が台頭し始めたのです。そしてそれが2月27日の中国株の急落やグリーンスパン前FRB議長が景気の後退入りを示唆したことをきっかけに一気に表面化しました。リスク資産からの資金の還流が始まり、世界同時株安や円のキャリートレードの巻き戻しが起こったのです。

【今後の行方】
 2月末の暴落後、バーナンキFRB議長が「国内サブプライム市場ついて一部懸念はいるものの、他の住宅ローン市場に波及している兆候は、それほどない」との判断を示したことから一時は落ち着きを取り戻しました。
 しかし、13日の米抵当銀行協会の発表で、米住宅ローンの債務不履行率が増加したことから再び米国経済への不信感が台頭しています。今後、しばらくは市場の不安定化からボラティリティーの高い状態が続きそうで、このサブプライム市場の悪化が他の住宅市場や金融機関に波及しないか、また、株価の下落によるヘッジファンドの破綻が表面に現れないかなどに注意が必要です。株式・為替・商品市場では今後も米国経済指標や要人の発言に神経質な展開が続くでしょう。

(オーバルネクスト/二見 朱里)

2007年3月15日

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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