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外為マーケットコラム

各国の金融政策動向

 3月の為替市場は米国経済への不安感や中国株をきっかけとした世界同時株安、それに伴う円のキャリートレードの巻き戻しに大きく影響を受けました。しかし、今週は中国株をはじめアジア株が堅調なことで再び各国の金融政策動向に注目が集まっています。金利政策は為替の変動の一因であり、金利の上昇(金利差拡大)は一般的に、その国の通貨の上昇要因となります。

【世界的にはインフレ基調】
 現在、マーケットで金利を引き上げるとの観測が優勢な国に、欧州諸国(ユーロ圏、スイスなど)、オーストラリア、ニュージーランドなどがあります。これらの国は景気の拡大による物資の需給ひっ迫でインフレが起こっており、段階的に金利を引き上げています。そして今後もインフレ率が高止まりすることを警戒しています。今週に入ってオージードル・円は92円台から一時95円台と世界同時株安以前の水準まで急伸、また3月6日の安値からは6円以上上昇し、約7%の上昇となりました。また、英国も1月に政策金利を5.25%まで引き上げたことで、今後のインフレは抑えられるとの見方がされていたものの、先日の2月英消費者物価指数が前月比+0.4%、前年比+2.8%と予想を上回る水準だったことから、利上げ後もインフレ傾向が抑えきれないとの見方が広がり、追加利上げ観測が再び台頭しています。

【注目されたFOMC声明】
 一方、米国は住宅市場のサブプライム融資問題や財政赤字、景気の後退懸念から近いうちに金利が引き下げられるのではないかとの憶測があり、ドル売りが優勢となりました。しかし、2月の生産者物価指数、消費者物価指数がインフレリスクを示唆しており、金利政策について連邦公開市場委員会(FOMC)の声明に注目が集まりました。そしてFOMC後の声明では、インフレについて引き続き警戒するとしながらも「一段の引き締めの可能性」という文言を削除したことで利上げバイアスが緩和したと捉えられ、ドル売りに拍車がかかったのです。

【今後の動向】
 世界的な景気拡大で各国が金利を引き上げる中、日本の利上げはゆっくりとしたものになると予想され、引き続き金利上昇局面にある国の通貨に対しては円安傾向が続くものと思われます。ただ、ユーロ圏、オセアニア圏からは円安に対する懸念発言も出ており、3月期末決算に向けたレパトリエーション(外貨建て資産売却・円還流)も円高要因として挙げられます。また、米国経済の不透明感が払拭されたわけでもなく、地政学的リスクなどにも注意が必要で、引き続きボラティリティーの高い状態が続くと思われます。

(オーバルネクスト/二見 朱里)

2007年3月22日

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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