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外為マーケットコラム

米国経済指標に注目

 10月1週は米国の重要な経済指標が目白押しである。一番の注目となるのが先月に予想外のマイナスとなった米雇用統計。事前予想では、改善する見込みであるが一方で失業率が増加する予想となっている。雇用情勢の悪化は家計の給与所得の低下に繋がり、米国GDPの7割以上を占める個人消費の減少が懸念される。ただ、週末発表された個人所得は前月比0.3%増と市場予想の0.4%増を下回ったが、個人消費支出は前月比0.6%増と予想を上回り、所得の減少がまだ消費の減少に繋がっていないことが示された。

 雇用統計のデータを見てみると、雇用者数は2003年の9月以来拡大を続けていたが2005年の後半をピークに増加率は減少していることがわかる。今後1997年のように一時的な現象でとどまり、その後再び雇用者数の拡大するのか、それとも2000年のように減少傾向が長引くのかに注目が集まる。2000年はITバブルが崩壊し、雇用状況は一気に悪化した。NYダウは2000年の高値から2002年の安値まで40%の下落となった。

 ただ、雇用者数の増減は10年サイクルとなっていることがグラフから見て取れる。となると雇用者数の増加率は減るものの、今回の減少は一時的にとどまり、実際に景気の後退が鮮明になるのは2010年以降となるとも考えられる。ただ、今後の米国経済は住宅市場の悪化が足を引っ張ることが予想され、これをどう切り抜けていくのかに注目が集まる。FRB(連邦準備制度理事会)の腕の見せ所だ。

【今後のドル・円の行方は?】
 今後のドルの行方が注目される。NYダウは先週、急落前の水準まで値を戻し、過去最高値に迫った。世界的な株式市場の上昇からリスク許容度が増し、円キャリートレード再開となった。ただ、米国株の上昇は金融市場の落ち着きと追加利下げへの期待感が背景となっており、米国景気の堅調さを背景としたものはない。よって今後の経済統計の内容が米国経済の後退を示すことになると、米国から資金が流出し、株式市場も大きく下落する可能性がある。そうなるとドル売りにも拍車がかかり、いままでレンジ取引が続き、底堅く推移していたドル・円もレンジを下抜ける可能性がある。

 また、9月30日に金融商品取引法が完全施行されることから月末の駆け込み的な投信設定での外貨買いがドルを支えた面があり、10月以降の設定の減少が投信がらみの円売り圧力を弱め、ドル・円を下支えられなくなる。さらに米住宅関連では月内に750億ドル相当の変動金利型ローンの金利改定が予定されており、このうち80%弱がサブプライムローンと言われている。このことが金融市場や米国経済に与える影響も懸念される。このように10月はドルの不安材料が多く、そのために米国の実体経済を見極める上での経済指標に注目が集まると思われる。

(オーバルネクスト/二見 朱里)

2007年10月01日

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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