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外為マーケットコラム

インフレ指標に注目

 先週は金融市場の混乱が収まる中、追加利下げ観測や雇用統計を始めとした米国経済統計が予想を上回り、米国経済の底堅さが示されたことからNYダウが最高値を更新しました。また、経済の堅調を背景にアジア株をはじめ、最高値を更新する株式市場が相次ぎ、世界的な株高になりました。また為替市場では、株高を背景としたリスク許容度の高まりから円キャリートレードが加速し、円安はさらに進行する格好となっています。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した9日時点の建玉報告では、円はドルに対して4万5,757枚の売り越しと、2日の2万8,069枚から大幅に売り越しが拡大し、ドル・円は、6月22日の高値1ドル=124.15円から8月17日の安値111.57円の半値戻し水準である117.86円近辺まで上昇しました。

 一方で、円以外の主要通貨ではドル安が進行しています。特に資源国通貨である豪ドルやカナダドルは、商品価格が高騰していることを背景に対ドルで一段の高値を更新する展開になっています。実際、原油市場は12日、一時過去最高値となる84ドル台を記録しており、インフレの加速が懸念されています。
 その中で注目されるのが、17日の米消費者物価など、相次いで発表される各国のインフレ指標です。原油の上昇は米国経済を支える個人消費に悪影響をもたらすほか、インフレ懸念が台頭すれば、FRB(連邦準備制度理事会)も早期利下げに踏み切れなくなる可能性があります。現在の米国株の上昇は米国の追加利下げ観測を背景としている面もあり、インフレの加速で早期の利下げ観測が後退すると、米国株に打撃を与えるでしょう。また、今週から米国の企業決算が本格化し、サブプライム問題の米国実体経済への影響を見極める上で注目されています。現在、株式市場に逆相関している円相場にとって、株の下落は円高要因となるため、株式市場の動向には注意が必要だと思います。

【ポンドに注目】
 今週は英国の指標が多く発表されます。中でも17日の英金融政策委員会(MPC)議事録に注目が集まります。金融市場の混乱から金利引き下げ観測もあった前回の英国金融決定会合で、どのような見解がなされていたかが焦点です。また、最近では、住宅市場の指標が弱含んでいることやダーリング英財務相が2008年の経済見通しを下方修正したことからも、今後の金融政策に注目が集まります。最近でもノーザンロック問題やオランダのABNアムロの買収報道で乱高下しているポンドですが、来週も経済指標や議事録の内容によっては大きく動く可能性があり、注意が必要です。

【19日でブラックマンデー20周年】
 来週19日はブラックマンデー20周年です。ブラックマンデーとは、1987年10月19日にニューヨーク株式市場で起きた史上最大規模の大暴落のことです。この日、ダウ平均は22.6%もの下落となり、この暴落は世界中に波及しました。原因はアメリカの貿易赤字と財政赤字の拡大やドル安に伴うインフレ懸念とされています。下図はこのときのドル・円の動きです。この動きをみていると金利引き下げのたびに上昇していることがわかりますね。今後、インフレ懸念から利下げ観測が後退すると、株式市場の下落からドル円には下値圧力が働くことになると思います。今後のインフレ指標には十分注意したいですね。

2007年10月15日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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