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外為マーケットコラム

VIX指数再び上昇

【ブラックマンデー20周年で急落、米国経済に暗雲】
 ブラックマンデー20周年である19日、ニューヨーク株式市場は原油相場の急騰や信用不安の再燃などで売り注文が膨らみ、急落して取引を終えました。
 NY株式市場は7月下旬、サブプライム問題を背景としたヘッジファンドの破綻が相次いだことから信用収縮懸念が台頭し、大幅に値を崩しました。しかしその後は0.50%の大幅な利下げや雇用統計が予想を上回ったことを受けて、それまでの下落幅を取り戻すばかりか、さらに史上最高値を更新する展開となっていました。しかし、ここにきて米シティグループやバンク・オブ・アメリカなど米大手金融機関の決算の悪化や住宅関連の経済指標を受けてサブプライムローン問題の深刻化が改めて認識され始めています。実際に週末に開催されたG7でもサブプライム問題に端を発した市場の混乱が話し合われ、声明では、金融市場の状況には注視が必要との認識を示しています。FRBによる追加利下げで米国経済が緩やかな拡大を続けるというシナリオに暗雲が立ちこめ始めているのです。

【VIX指数再び上昇】
 株式市場は投資家の心理が支配していると言われるように、投資家心理の悪化は株式市場を圧迫します。下図は株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所のボラティリティー・インデックス(VIX指数)とNYダウ、ドル円です。

 VIX指数はサブプライム問題でNYダウが急落し、12,455ドルの安値をつけ、円キャリートレードの巻き戻しが加速しドル・円が111.57円をつけた8月16日に最高値37.5をつけました。そして市場が安心を取り戻すなかで指数は低下傾向を続け、10月11日には16まで低下。そのときNYダウは直近の高値14,280ドル、ドル円は117.75円まで上昇していました。しかしここにきてVIX指数は再び7月下旬の数字まで上昇しています。まだ前回の急落場面での指数と比べるとまだ上昇余地があることから、ここからさらに株安・円高が進行する可能があります。

【米国、スタグフレーション懸念】
 現在、原油価格が1バレル=90.07ドルと過去最高値を更新し、穀物などの商品も上昇を続ける中、インフレ懸念が高まっています。一方、米国は現在の経済動向からも利下げが余儀なくされる状況です。しかし、利下げを実施すると更なるインフレ加速が懸念され、米国経済がスタグフレフレーションに陥る可能性もでてきます。実際、10月の米国失業率は前月の4.6%から4.7%と悪化しており、スタグフレーションの定義である「インフレ進行の中での失業率の悪化」に当てはまっています。

【世界同時株安の可能性】
 米国経済の減速で投資家心理が悪化しているほか、中国でもインフレ懸念から株式市場が頭打ちとなっていることから今後、世界的な株式市場の調整が起こる可能性もあり、注意が必要です。また、株式市場と連動している円相場もキャリートレードの巻き戻しが加速する可能性があるうえ、G7声明での人民元切り上げ圧力から、同じアジア通貨としての代替通貨である円に買い圧力が働く可能性があるため注意が必要です。

2007年10月22日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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