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外為マーケットコラム

米国消費の動向と雇用統計に注目

【オイルマネーが米国経済を支える?】  前週はアブダビ投資庁による米シティグループへの出資報道が伝わったことから相場が一変。出資報道を受けて信用収縮懸念が薄らぎ、世界的な株高となりました。今後、新興国からのオイルマネーの還流が信用収縮懸念を後退させ、米国経済を下支えるという展開となるかに注目すべきです。

【サブプライム問題の悪化は食い止められるか?】
 ただ、発表された米国経済指標を見てみると、11月の消費者信頼感指数が2005年10月のハリケーン「カトリーナ」襲来後以来の低水準となり、耐久財受注は3カ月連続のマイナス、中古住宅販売件数は1999年以降で過去最低を記録と、米国景気の減速を明らかに示しています。株式市場では、これらを追加利下げを後押しする材料と捉えましたが、短期金融市場ではロンドン銀行間取引レート(LIBOR)の上昇が続いており、信用収縮懸念は払拭されていません。今後もサブプライムローン関連での評価損を計上する金融機関が出てくる可能性があるため、注意が必要です。米財務省が計画しているとされるサブプライムローン利用者支援策が、どこまで住宅ローン担保証券絡みの損失に歯止めをかけられるかが焦点となります。

【個人消費の動向に注目】
 今後の米国経済を占う上で重要となってくるのが、個人消費です。米国の個人消費はGDPの約7割を占め、米経済のけん引役となっています。また、米国の消費は世界経済にとっても重要なファクターです。前週に発表された第3四半期の個人消費は、前期比年率+2.7%と予想を下回り、消費の源泉となる個人所得も10月は前月比+0.2% と予想を下回る結果となりました。原油価格の高騰による物価高も消費マインドを悪化させている中、今後も信用収縮の流れが続き、クレジットカードなどの与信審査が厳しくなると、個人消費に大きな圧力がかかります。

【雇用統計は今後徐々に悪化?】
 感謝祭翌日の「ブラックフライデー」の米小売売上高は前年同日比8.3%増となっており、クリスマス商戦の出足は好調なようですが、やはり今後の消費動向を見る上で欠かせないのが、収入の元となる雇用動向です。そのため、週末の米国雇用統計は市場の注目を集めるでしょう。

 下図は米国雇用統計の推移です。雇用動向には10年サイクルがあるように思われ、1991年3月からの推移と2001年10月からの推移はほぼ同様となっています。よって、今後やや下向きとなる可能性はありますが、その後は比較的堅調に推移するのではないかと推測されます。また、値動きの大きい雇用統計発表時の値動きをまとめたのがその下の図です(値幅は発表時からNYクローズまでの最大値幅)。

 これをみると、素直に事前予想以上となったら買い、事前予想以下で売りポジションをとることで大きな値幅をとることが可能なようです。ただ、前月の修正の幅によっては逆の値動きとなる可能性もあるため注意が必要です。

2007年12月3日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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