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外為マーケットコラム

実質実効為替レートではまだ円安水準

 ドル売りに拍車がかかっています。前週、一時は米貿易赤字の縮小や協調流動性供給策を受けてドルが買い戻される場面もありましたが、それもつかの間、湾岸諸国のドルペッグ制廃止懸念、金融保証会社(モノライン)の格下げ、米ヘッジファンドの破綻懸念、米2月財政収支の過去最大の赤字など、ドル売り材料が相次ぎました。

 さらに週末には米証券大手のベア・スターンズが資金繰りに行き詰まり、ニューヨーク連銀からJPモルガンチェース経由で緊急資金供給を受けたという報道で信用不安が一気に高まり、株が急落、円が急伸しました。17日の東京市場では日経平均の大幅下落もリスク回避の動きを加速させ、ドル・円は1995年9月来の円高水準となる1ドル96円55銭まで下落しています。

 資金流動性供給策もサブプライムローン問題の根本的な解決策ではないこと、資金の流動性は確保されたが、銀行は依然、資金の貸し出しには消極的になっており、効果が表れにくいとの見方が優勢となっており、信用収縮懸念は払いきれず、投資家の恐怖心を反映する指数と言われているVIX指数は31.16と、1月22日以来の水準まで上昇しています。

【FOMCや金融機関の決算発表に注目が集まる】
 このような状況の中、18日に米国の政策金利を決定する米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。FF金利先物市場ではすでに0.75%の大幅利下げが行われる確率を100%織り込んでいる状況ですが、ベア・スターンズのニュースを受けて、シティグループは、最低1%の金利引き下げが行われるとの見通しを示しています。信用不安が一層強まり、株価が下げ止まらない中で、連邦準備制度理事会(FRB)がどのような決定をするのかに注目が集まっています。

 また、18日にはサブプライムローン関連で多額の損失を被ったリーマン・ブラザーズ、20日には今話題に上っているベア・スターンズの決算発表があります。格付け会社S&Pは金融機関の評価損の多くはすでに計上された可能性があり、大手機関における評価損問題に終息の兆しがみられるとの見方を示していますが、FOMCでの大幅利下げに加え、決算発表で現在の信用不安を払拭できるかどうかに注目が集まります。

【実質実効為替レートではまだ円安水準】
 かねてから国際通貨基金(IMF)は、アメリカの経常赤字による国際収支の不均衡が今後是正されていくとしたら、その影響で、中期的にドル相場は大幅に下落せざるを得ないと指摘していました。また、現在でも中国人民元に対しては一段の柔軟化が必要だとしています。日本は経常黒字国家であることや円は人民元の代替通貨とされていることからも、今後も円高圧力が続く可能性があります。

 ここで円の実効為替レートを見てみましょう。実効為替レートとは、円と主要な他通貨間のそれぞれの為替レートを、日本と当該相手国・地域間の貿易ウエイトで加重幾何平均したうえで、基準時点を決めて指数化する形で算出します(=これが名目実効為替レート)。そして、物価の変動も考慮にいれた、物価調整後の実効為替レートを実質実効為替レートといいます。実効為替レートを見ると、まだまだ円は割安の状況だということが分かります。これからさらに不均衡是正の動きが強まると、ドル・円に加え、いまだ高値圏にあるクロス・円の下落圧力が高まる可能性があり、注意が必要だといえるでしょう。

2008年3月17日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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