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外為マーケットコラム

欧州通貨VSドルの行方は??

 前週はスイス大手銀行UBSやドイツ銀行が追加損失を計上したことで欧州金融機関の損失拡大懸念が台頭し、一時欧州通貨売り/ドル買いが加速しました。予想を上回る米3月のISM製造業景気指数やADP雇用統計の好結果もその流れを支援し、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.59ドル近辺から1.55ドルまで約400ポイントも下落しました。しかし、米新規失業保険申請数の大幅上昇や米雇用統計の悪化で再びドル売り圧力が強まっています。

【欧州政策金利発表やG7に注目】
 そして今週は、8日に米連邦準備制度理事会(FOMC)議事録、10日に英国・ユーロ圏での政策金利発表があります。現在米FF金利先物市場では、4月の0.25%の利下げは完全に織り込まれており、ユーロ圏と米国では金利差がさらに拡大するとみられています。しかし、金利市場では政策金利を1.75%で打ち止めにするとの見方が優勢となっており、今後はいままでの大胆な金融・財政政策が米国景気を下支えできるかに注目が集まっている状況です。

 一方、ユーロ圏はいまだインフレ率が高止まりしていることから、金融引き締め方向にバイアスがかかっています。ただ、国際通貨基金(IMF)が、2008年のユーロ圏内総生産(GDP)伸び率見通しを引き下げるなど、ユーロ圏にも景気減速の兆しが見え始めています。また、ユーロ圏の財務相が11日から開催されるG7で、最近のユーロ高に対する懸念を表明する見通しを明らかにしており、ユーロに対する見方に今後、変化が起こるかもしれません。

 また、英政策金利は0.25%の引き下げが予想されています。ポンドは5日に発表された米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細でも売り越しに転じており、今後も英国の利下げが継続すると、金利差縮小観測からポンド売り・ドル買い圧力が強まりそうです。

【ダイバージェンス?】
 今後、ユーロ・ドルの下落にはユーロ圏の経済減速が鮮明となることや、ユーロと相関性の高い原油価格の下落が必要となるといえます。ユーロ・ドルのチャートは3月31日の高値が17日の高値を抜いていないことから完全ではありませんが、終値ではダイバージェンスの格好(価格とMACDの逆行)となっています。株価とテクニカル指標の間でダイバージェンスが現れた場合には、一般的に下降転換するサインと見られることが多いのです。欧州通貨VSドルの攻防に大きな変化が出てくる可能性もありそうですね。



2008年4月7日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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