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外為マーケットコラム

ドル・円は上昇トレンドライン割れ、経済指標や金融機関決算発表に注意

【105円台は予想以上に上値が重い】
 ドル・円は予想を上回る米4月雇用統計を受けて1ドル=105円台を突破し、一時105.68円まで上値を伸ばしました。しかし、1月16日〜2月7日までに下支えとなった下値支持線105.70円が今度は上値抵抗線となり、上値を伸ばすことはできませんでした。同水準は5月2日、5日、7日と3回挑戦したものの突破に失敗、その結果3月17日の安値95.73円と4月10日安値100.02円を起点とする上昇トレンドラインを割り込み、一時102円台まで急落する展開となりました。

 この上値の重さには105円台での本邦輸出企業のドル売り注文も原因のひとつだと思います。日本経団連の御手洗冨士夫会長は、「急な円高は輸出企業には一時的ショックだと思うが、日本企業は筋肉体質になっており、105円ぐらいなら対応できる」と指摘、経済同友会の桜井正光代表幹事(リコー会長)も「今のペースで企業が輸出で採算のとれる水準は希望も含めて105円から110円」と語っています。さらに、内閣府が発表した「企業行動に関するアンケート調査(平成20年度)」によると、輸出企業の平均採算円レートは1ドル=104.74円となっていました。これらのことから、105円台では輸出企業の売り圧力が強かったのだと思います。

【下値目安は?】
 上昇トレンドラインを下抜けたことから、ドル・円はいったん下を試す展開となりそうです。ターゲットは3月17日安値から5月2日高値までの38.2%押し水準である101.88円や半値押し水準である100.70円近辺。これらの水準で下げ止まるかに注目です。また、さらにこれ以上の円高になるかも注目されますが、3月日銀短観によると08年度の大企業製造業の想定為替レートは1ドル=109.21円となっており、これ以上の円高は日本の景気後退につながるため、円売り圧力も強まると思われます。よって上記の水準で下げ止まりを見せるようなら、ドル買い・円売りを試みるのも有効ではないかと思います。

 今週は米国の経済動向を見定める上で重要な指標が相次ぎます。個人消費動向を判断するための4月小売売上高や5月ミシガン大学消費者信頼感指数、また物価動向の判断には4月消費者物価指数(前月比)、さらに企業の景況感の判断には5月ニューヨーク連銀製造業景気指数や5月フィラデルフィア連銀景況指数が注目されます。さらに13日には金融保証会社(モノライン)最大手MBIA 、ソシエテジェネラル、14日にはBNPパリバの決算発表が控えているため、発表をうけての急な値動きには注意が必要です。



2008年5月12日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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