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外為マーケットコラム

1998年からのドル円の動きとの比較

 今週は、前月に失業率が急上昇しサプライズとなった米国雇用統計が発表されます。発表日はいつもと違う木曜日。これは7月4日の金曜日が独立記念日で米国市場が休場となるからです。今回の雇用統計も、前週発表された米国経済指標が軒並み悪かったことや前回の失業率の急上昇が一時的なものかどうかを判断する上で注目が集まっています。

【米国経済の悪化・信用不安の再燃】
 前週の経済指標では、4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数が前年比で過去最大の下落率、6月の消費者信頼感指数が1992年2月以来の低水準、そして米6月リッチモンド連銀製造業指数が03年9月以来の水準まで低下するなど、相次いで米景気減速の悪化の深刻化が懸念される内容の指標が発表された上、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で予想ほどタカ派的な内容とはならなかったことが、ドルを圧迫しました。

 しかしドル・円相場は、日米金利差拡大観測や個人投資家による外貨買い、ボーナス期を狙った外貨建て投信販売に絡むドル買い需要から底堅い展開が続きました。さらに、欧米金融機関が評価損をカバーするための資金として低金利のサムライ債を発行する動きが活発化し、調達した円を外貨に転換する動きが円売り圧力となったようです。

 その後、週後半に米金融機関の追加損失計上の可能性や、格付け機関フィッチがモノライン(金融保証会社)の格付けを停止し、無効としたことで信用不安が再燃し、円買いが加速しました。信用収縮懸念から、日本のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場の指数が上昇すれば、サムライ債の発行も難しくなります。また、ここからさらに株式市場が大幅に下落する展開となれば、リスク回避の動きが強まり、円買いの動きも強まると思われます。

【1998年からのドル円の動きとの比較】
 やはり今後の米国経済を見る上で重要視されるのは、収入の元となる雇用動向です。では、今週の注目ポイントである雇用統計の動きを見てみましょう。米国雇用統計には10年サイクルが見受けられ、1991年2月からの推移と2001年4月からの推移は似ているように思われます。

 そして下の表から判断すると、現在の位置は1998年の4月近辺です。ではここで1998年からのドル円の動きをみてみましょう。ドル・円は1998年8月11日に高値147.44円をつけた後、下落に転じています。そして今回のドル・円相場の高値124.13円をつけた2007年6月22日を1998年の高値にあわせてみると、とてもよく似た値動きになっていることが分かります。また、3月17日につけた安値をあわせてみてもよく似ています。このことから判断すると、ここからしばらく105円を中心としたもみ合いを続けた後に、円高方向に行くことが予想されます。







2008年6月30日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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