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外為マーケットコラム

ドルは反発に転じるか??

 今週は政府系住宅金融機関(GSE)に対する救済策の動向や米金融機関の決算、さらにバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB) 議長による半期に一度の金融政策運営に関する議会証言を見極める、重要な週になりそうです。米国のインフレ指標の発表もあり、為替、株、債券、商品市場のすべてが大きく乱高下する可能性があります。

 先週末の東京市場では、ニューヨーク・タイムズ紙が「米政府がGSE2社の連邦住宅抵当金庫 (ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の問題が悪化すれば、政府管理下に置く事を検討している」と報道したことを受けて、ドルが堅調に推移しましたが、ポールソン米財務長官が、「現在の形で両社を支援することが主要目標である」とし、現時点での政府による救済策を示唆しなかったことで米国株やドルは急落しました。

 しかし、今週に入ってポールソン米財務長官は、「フレディマックとファニーメイへの信用枠を一時的に拡大し、直接貸付を行う。必要なら株式を取得する一時的な権限を保有する用意がある」とし、FRBは、「必要ならファニーメイとフレディマックへの公定歩合貸し出しを認可し、連銀窓口貸し出しを実施する権限をニューヨーク連銀に付与する」と述べ、両社に対する救援策を示唆したことで、米株式指数先物やドルは反発、原油市場も急落して始まる展開となっています。

 そしてここからの展開ですが、米政府による支援策が好感されて株やドルが下支えされるとの見方がある一方で、米住宅市場や米経済の悪化が以前より深刻になっており、ドルの上昇は続かないとの見解もあるため、予想が難しくなっています。信用不安がいったん薄らいだものの、住宅市場をはじめ米国経済の悪化を食い止めるものではないことや、このGSE両社の株価の下落で損失を被った資産運用会社もあり、再び金融不安が再燃する可能性もあるため注意が必要です。

 前回3月のFRBによる緊急流動性策やベアー・スターンズ救済策の発表後は、懸念された米金融機関の決算もまずまずこの結果となり、資金調達のメドについたことから、ドルも3月17日の最安値から反発する展開となりました。果たして今回も同様な展開となるのかが注目されます。

【三角もち合いを下抜け】
 ドル・円は3月17日の安値95.71円を起点とする上昇トレンドラインと2007年10月15日の高値117.95円を起点とする下降トレンドラインで形成された三角もち合いを下抜けました。そして6月30日の安値104.99円近辺が下値支持線となっていますが、ここを下抜けると状況は悪化し、下値支持線の102.70円や101.50円近辺まで再び下落する可能性があります。今回も3月17日のようにドルが反発に転じるのかが注目されます。







2008年7月14日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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