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外為マーケットコラム

住宅指標に注目

 今週は米住宅価格指数、中古住宅販売件数、新築住宅販売件数と、相次いで住宅指標が発表されます。米国経済の先行きを占う上で、米住宅市場の動向が注目される週となりそうです。

【ドル安払拭には住宅市場の改善が必要】
 現在の金融市場の混乱は、元をただせば住宅市場の減速と証券化市場におけるリスク評価の機能不全、レバレッジの拡大、流動性の収縮にあります。現在、米政府やFRBなどによって、規制の強化や流動性の確保が行われていますが、その元となる住宅市場の回復がなければ景気の改善は期待できないでしょう。

 オバマ上院議員の言うように、米ドルの価値を押し上げる最善の方法は市場の操作ではなく経済ファンダメンタルズの改善が必要です。市場操作で一時的なドル安は回避されても、それが一巡すれば、再びドルは売られる展開となるでしょう。ドル安懸念の払拭には米住宅市場の回復が必須です。その意味でも、今後発表される住宅指標に注目が集まります。

 米住宅市場が今後も低迷を続ければ、金融機関の自己資本がき損し、再び金融機関への信用懸念が台頭します。さらに逆資産効果による個人消費の減速で実体経済も一層悪化するなど、負のスパイラルに陥りかねません。住宅市場が回復しない限りドル安再開の可能性は残ることになります。

【最近は底堅さを見せる住宅指標】
 ではここで米国の住宅関連の経済指標を見てみましょう。先日発表された6月の住宅着工件数は、予想の96万戸を上回る前月比9.1%増の106万6000戸となりました。市場は予想外の上昇を好感し、ドルは買われました。グラフで見ても、下げ止まっているように見えますね。

 しかしこれはニューヨーク市が7月1日から新たな建設条例を施行したことによるもののようです。実際、北東部の集合住宅件数を除くと、着工件数は前月比4.0%減と、938万件なる計算です。今回の着工件数は条例の変更にともなう影響が大きく、米住宅市場の底打ちを示したものではなさそうです。

 米主要都市圏の住宅価格動向をまとめたスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は低下を続けています。また、8日に発表された中古住宅販売件数の先行指標とされる6月の中古住宅販売保留指数は前月比4.7%の減少となっており、今週の中古住宅販売件数も減少が予想されます。今週は住宅指標に注目ですね。





2008年7月22日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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