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外為マーケットコラム

日本のお盆は円高傾向?

【ドル全面高】
 現在、ドルが対主要通貨で全面高の展開となっています。いままで、サブプライムローン問題をきっかけとした住宅市場の低迷や信用市場の混乱で、米国は大幅な利下げを継続しました。そして米国経済への悲観的な見方が台頭し、ドル安・ドル資産離れが止まらない状況でした。

 しかし、最近ではこのドル安基調に変化が現れてきています。前週開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、経済成長の下振れリスクも依然残るとしたものの、インフレの上振れリスクも重大な懸念とし、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に対する姿勢は一段と中立姿勢へと転換しています。また、年内の利上げ観測は後退したものの、FRBはいままでの積極的な利下げや流動性対策から、時間とともに緩やかな経済成長を促進するとしており、次の一手は利上げとの見方も出てきています。

 そしてその一方で、ユーロ圏を初めとした米国以外の景気減速・利下げ観測が強まってきました。ユーロ圏では、相次ぐ予想を下回る経済指標に加え、先日のトリシェ欧州中銀(ECB)総裁の声明では、インフレ警戒を示したものの、ユーロ圏経済への弱気な見方を示唆し、日本では月例経済報告で基調判断を「弱含み」に下方修正し、景気後退局面に入った可能性を示唆するなど、米国以外の景気減速感が材料視されています。また、原油価格が一時8日に114.62ドルと、最高値147.27ドルからの下落率は20%超となり、弱気相場入りとされる水準まで下落したことも、ドルを支援しています。

 今週は各国の物価指数を初めとする重要経済指標が発表されます。それぞれの国の指標をもとに、インフレ状況と景況感が判断され、今後の金利政策の方向性を見定めようとする姿勢がより強まると思います。また、急落している原油価格の動向にも注目が集まるでしょう。

【日本のお盆は円高傾向?】
 ドル・円は8月に円高傾向になる可能性が高いと言われています。確かに2000年以降では円安となったのは2006年のみです。

 その理由として、8月は本邦勢が夏休みで円相場の商いが薄くなるということや、米国債の償還が行われることがあるようです。

 では、より本邦の相場参加者が少なくなると見られる日本のお盆はどうでしょう??仮に15日を含んだ週で見てみると、2000年以降で円安となったのは、2003年の0.13円安と2005年が1円安のみです。10年間では80%、20年間では60%の確率で円高/ドル安となっています。そして円高となった週の平均値幅は2000年からで2.05円の円高、10年間で2.04円、20年間で1.78円の円高と、20年間の週の値幅の平均が1.34円であることから比べると、やや大きくなっていることが分かります。

 今週は15日を含む週です。先週円安に振れた分、今週または来週の日本のお盆に当たる週で円高傾向が強まるのかに注目したいと思います。



2008年8月11日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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