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外為マーケットコラム

ユーロ・ドルの行方?

 先週は、米政府系住宅金融会社(GSE)への公的資金注入に対する懸念や元国際通貨基金(IMF)のケネス氏が「今後2―3カ月以内に米国の大手金融機関が破たんする可能性がある」との認識を示したことで米金融不安が再燃しました。さらに米大手証券のリーマン・ブラザーズが、第3四半期に約40億ドルの評価損を計上するとの見通しを示したことを受けて、米大手金融機関に対する不安感が一層強まる格好となり、ドルが売られました。

 しかし、週末には韓国産業銀行がリーマンを買収する可能性を示唆したことで、米金融機関の再編が進むとの期待から、米国株式市場は大幅続伸となり、ドルが買い戻される展開となりました。ドル・円は週初の1ドル=110円台半ばから108円台前半まで下落した後、週末には110円台を回復し、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.46ドル台前半から1.49ドル台まで上昇した後、再び1.47ドル台まで売られています。

【住宅指標やFOMCに注目】
 ドル買いが続く中、今後の米国経済のカギを握るのは住宅市場であるという見方は変わりません。前週発表された米住宅建設業者協会(NAHB)住宅指数は85年1月に統計を開始して以降の最低水準となり、住宅着工件数も1991年3月以来で最低水準に落ち込み、米住宅市場への先行き懸念は再び強くなってきています。今週は重要な米住宅指標が発表されるため、注目が集まるでしょう。

 また、FOMC議事録での今後の米経済や金融政策への見解も注目されます。米連邦準備制度理事会(FRB)理事からは米住宅市場低迷の長期化や景気減速を示唆するものが増えてきており、インフレに関しても今後の緩和を見込む発言が多くなってきています。議事録での今後の米金融政策に対する言及に注目が集まるでしょう。

【ユーロ・ドルの行方?】
 また、今週はユーロ圏で独IFO企業景況感指数が発表されます。7月24日に発表されたIFO景況感指数は97.5と、2005年9月以来ほぼ3年ぶりの低水準に落ち込み、前月からの下げが、01年9月11日の米同時多発テロ以降で最大となりました。そしてこの発表以降、ユーロ・ドルは大幅に下落する展開となっています。今後のユーロ・ドルを見ていく上ではこの指数の動向が重要になると思います。

 また、原油価格もユーロ・ドル相場を左右するでしょう。前週の金融不安が強まったときも、ドル売りは限定的にとどまっていましたが、その後原油が急反発を見せると、ドル売りが加速する展開となりました。このことからも、原油の動向には注意が必要だと思います。

 では、ここでユーロドルの行方を占う上で、重要視されると思われる米ISM製造業景況指数と独IFO企業景況感指数を見てみましょう。この二つの指標の差を1年6ヶ月先行させたものと、ユーロ・ドル相場を比べてみます。これを見ると、非常によく連動していることが分かります。

 そして、先行させた指数は下落しており、今後の展開としてユーロ・ドルがさらに売られることが予想されます。



2008年8月25日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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