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外為マーケットコラム

再び復活!ユーロと原油の相関関係

 先週は相次いで発表された米住宅指標や景気指数が予想を上回る好結果であったことから、発表のたびにドル買いの反応が出ました。しかし、中古住宅指数の発表後には在庫が過去最高水準であることが指摘され、ケース・シラー住宅価格では前年度比での悪化が注目されるなど、ドル買いの展開は続きませんでした。新築住宅販売件数も減少傾向が続いていることから、住宅市場の回復にはいまだ時間がかかるとの見方が広がっています。

 また、米証券大手リーマンブラザーズ買収をめぐる問題や、米政府系住宅金融機関(GSE)への懸念が長引く中、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録でも「金融状況が一段と悪化する可能性があり、経済見通しには引き続き下方リスクがある」とされ、信用市場の混乱や金融機関の損失問題が長期化するとの見方が広がっており、投資家心理が悪化しています。今後もこの状況が続けば、リスク回避による円買い圧力が強まる可能性があるでしょう。

【再び復活!ユーロと原油の相関関係】
 また、最近は再び原油価格とユーロ・ドルの相関関係が強まっています。一時期の米国の景気減速や大幅な利下げでのドル安・ユーロ高・原油高は、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長のタカ派発言やポールソン米財務長官のドル買い介入の示唆、ユーロ経済指標の軟化で、その関係性は薄れていました。

 しかし、ここに来て再びユーロ・ドルと原油価格の相関性が復活してきています。3カ月おきの相関係数を見てみると、1月〜3月には0.83であったものが、3月〜5月では0.14、4月〜6月には-0.27まで低下していましたが、5月〜7月は0.55、6月〜8月では0.80と、再び相関性が復活しています。また、1カ月おきでも低迷が続いていましたが、8月には0.73と再び相関性が強まっていることがわかります。

 最近の金融市場の混乱や住宅市場の低迷の長期化観測で、米利上げ観測が大きく後退しました。一方、ユーロ圏では利下げ観測がありましたが、最近のユーロ圏の要人によるタカ派発言で、利下げ観測が後退しています。これらのことから、今後の金利の方向性が定まらず、市場は金利差を背景とした売買材料を失っています。そのため、ドルの買い・売り材料として、原油価格の動向に注目しているのだと思います。

 現在、原油価格はグルジア紛争による米ロの対立や、ハリケーン「グスタフ」の動向で値動きが荒い展開となっています。原油が一段と反発の動きを加速させるようだと、ユーロ買い・ドル売り圧力が強まると思われますが、原油価格の上値が重いようだと、ユーロ売り・ドル買いの展開が今後も続くことが予想されます。







2008年9月1日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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