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外為マーケットコラム

今度はドル売り・円売り?

【GSE救済でドル売り・円売り反応】
 週末に伝わった米政府による政府系住宅金融機関(GSE)の米連邦住宅金融抵当金庫(フレディマック)と米連邦抵当金庫(ファニーメイ)に対する公的資金の注入のニュースを受けて、為替市場ではドル売り・円売りの反応を示しています。いままで続いたドル買い・円買いの逆の動きです。

 公的資金の注入は米財政赤字の拡大につながり、米国債に対する保有リスクが高まることを嫌気したことがドル売りにつながり、一方で救済によって懸念されていたGSEの信用不安が後退し、リスク回避の動きが弱まったことが円売りの要因となっています。そして、今後もこの動きが続くのかに注目が集まります。

【米雇用情勢・住宅市場の低迷続く】
 先週発表された米8月雇用統計では、失業率が6.1%と予想を大きく上回り、約5年ぶりの水準に上昇しました。また、米抵当銀行協会(MBA)は、国内の住宅差し押さえおよび差し押さえ手続きに入っている住宅が2008年第2四半期に、過去最高水準に上昇したことを明らかにしています。

 今週は米小売売上高や米消費者信頼感指数が発表されますが、雇用情勢の悪化や住宅市場の低迷が続く中、消費の伸び悩みが続くとみられることから、指標を受けて米経済の回復の遅れが台頭すれば、ドル売りが出る可能性があります。また、9日には石油輸出国機構(OPEC)が総会を開催し、原油の減産を決定する可能性もでてきていることから、これを受けて原油価格が反発するようなら、ドルも一時的に売り圧力が強まると思われます。

【米国債に対する信用がカギ】
 一方、米債券運用会社PIMCOのビル・グロース最高投資責任者は、GSEが政府管理下に置かれることで、米国の住宅価格下落を食い止め、米経済を支援することにつながるとの見解を示しています。住宅市場好転のタイミングは不透明感が強いとしながらも、住宅ローン金利が低下すれば、住宅市場の健全性が戻るだろうと述べています。よって今後、米国債に対する保有リスクが高まることがなければ、米経済の回復期待からのドル買いの流れは続くことが予想されます。

【フィボナッチファンで見てみると】
 ではここでドル・円のチャートを見てみましょう。3月17日の安値95.73円と8月15日の高値110.66円を結んだフィボナッチファンに注目してみると、今後、8月15日高値を起点とする下降トレンドラインを突破し、3月17日の安値と7月15日の安値を結んだ上昇トレンドラインに沿って上昇していけるかが焦点となります。このラインを維持できれば2007年6月22日の高値から3月17日の安値95.77までの下落に対する61.8%戻しの113.30円を目指し、堅調な展開になるでしょう。

 一方、下降トレンドラインを突破でできず、上昇トレンドラインを割り込めば、3月17日の安値から8月15日の高値までの上昇に対する半値押しの103.20円方向に行くことが予想されます。



2008年9月8日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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