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外為マーケットコラム

米政府金融安定対策の見極め

 リーマン・ブラザーズ破綻という衝撃的なニュースで世界的な株式市場の急落から始まった前週は、リーマンの破綻で金融機関に連鎖的な被害が及ぶことを恐れて、疑心暗鬼の状態が続き、短期金融市場ではドル需要が急増・米短期金利が急上昇したことで、ユーロ・ドルなどの本来プラスのスワップがマイナスとなるなどの現象も起こりました。

 しかし、第2のリーマンの筆頭となっていた保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に公的資金を注入する支援策が発表されたことや米政府などによる金融安定化対策が相次いで発表されたことが好感され、週末には世界の株式市場は大幅に上昇し、為替市場では大きく円安に振れる展開となりました。

【米政府金融安定対策の見極め】
 米証券取引委員会(SEC)によるすべての銘柄に対する空売り規制や、主要6中央銀行の協調流動性対策、さらにポールソン財務長官による不良債権処理機関設立構想、マネーマーケットファンド(MMF)に対する預金保険型の保護など、政府は金融市場の混乱に対して抜本的な対策に乗り出してきています。そして今後はこれらの対策で金融システムへの不安を払拭することができるかが焦点となるでしょう。

 ただ、これらの対策にはその規模や資金の調達、実施されるまでの時間など不透明な点が多い上、仮に公的資金の注入で金融市場の世界的な安定には寄与しても、米納税者が負担を被ることとなり、米国の財政状況は悪化し、ドルの悪材料となります。また、この対策案では問題の根源である住宅市場が回復するという確信は持てず、今後も住宅価格が下落すれば、不良資産の評価損はさらに拡大する可能性もあります。

 今週は金融機関の7-9月期決算発表が本格化することから、まだまだ安心は出来ない上、ポールソン米財務長官やバーナンキFRB議長の議会証言も控えていることから、注意が必要でしょう。

【リーマンショックとベアスターンズショック】
 ではここで米証券5位であった米大手証券会社ベア・スターンズが実質的な経営破綻に追い込まれたことを受けて、対円相場が安値をつけた3月17日から3月末までの相場の動きから、今回の米証券4位であったリーマン・ブラザーズが経営破たんを受けて安値をつけた9月16日の相場から9月末の相場と今後の高値の予想をしてみましょう。(表参照)クロス円は現在、9月末の予想値を軒並み上回る数字となっています。今後再び下げに転じるか、それとも再び今後の高値目標を狙った展開になるのかに注目したいと思います。



2008年9月22日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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