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外為マーケットコラム

VIX指数に注目

 先週は米政府の金融安定化対策の行方を見極める週となりました。投資家は、野村ホールディングスの米証券大手リーマン・ブラザーズのアジア部門の買収、三菱UFJのモルガン・スタンレーの普通株取得、三井住友フィナンシャルグループのゴールドマン・サックスへの出資、さらに著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイによるゴールドマン・サックスへの出資と、相次ぐ出資報道を好感したものの、金融安定策の議会承認が難航しているとの報道で、慎重姿勢を崩さない状態が続きました。そしてドル・円は結局金曜日まで、月曜日高値・安値のレンジ内での動きとなりました。

【米実体経済への見極めに移行か】
 ただ、週末にフランク米下院金融委員長が「金融安定化法案は可決の見通し」としたことで、市場の注目点であった米金融市場安定化策がいつ議会に承認されるか、という不安は払拭されそうです。しかし、仮に早期法案通過が実現されても不安材料は残ります。「金融機関が保有する不良債権を最大7000億ドルの公的資金で買い取る」という法案では、その不良債権の価格設定での価格と金融機関の簿価との差が大きくなれば、金融機関にさらなる損失が発生し、金融機関の資本不足への懸念が残るのです。

 また、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長やブッシュ大統領が必死で支持を訴えたことが、逆に米国がそれだけ深刻な金融危機にあることを印象付ける結果となっており、法案成立後も金融機関の資本増強や米実体経済への懸念に移行する可能性があるでしょう。

 そして今週は雇用統計やISM景気動向指数をはじめ、米国の実体経済を反映する重要指標が相次いで発表されます。そのため、この金融市場の混乱の中で、実体経済に悪影響が及んでいないかどうかの判断材料とされるでしょう。景気の一段の悪化が示されれば、現在徐々に高まっている利下げ観測が表面化し、ドル売りが再開される可能性があります。また、証券取引委員会(SEC)による空売り規制の期限が10月2日に迫っています。最大30日の延長の可能性もありますが、その動向にも注目したいところです。

【VIX指数に注目】
 そして金融安定化法案の機会通過で金融不安が落ち着きを見せるのかにも注目です。それを判断するもののひとつに、投資家不安心理を示すVIX指数があります。VIX指数は、「ボラティリティ・ インデックス」の略で、米S&P500を対象とするオプション取引の値動きを元に算出・公表されています。この指数は通常時は10〜20の範囲内で動くとされていますが、18日にはエンロン不正会計事件があった2002年7月の水準である42.16まで上昇し、現在も30台で高止まりしています。このVIX指数が落ち着きを見せるのかに注目したいです。



2008年9月29日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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