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外為マーケットコラム

反発局面入り

 今週の東京外為市場では、対円相場が大きく上昇して始まっています。この背景には12日に行われたユーロ圏15カ国緊急首脳会合で共同行動計画が採択されたことや、米財務省による金融機関への資本注入策への期待、さらに豪州とニュージーランドは、国内銀行の預金を全額保護すると発表し、日本も政府が保有する株式売却で市場売却の一時凍結を検討・実施するという金融危機対策を発表するなど、各国一丸となった実効性ある具体策が発表されたことがあります。

 先週、株安・円高となっていた背景には、4日の欧州首脳緊急会合で、各国の足並みが揃わず、公的資金投入による経営難の銀行の救済などの抜本策が見送られたこと、さらに米金融安定化策の実現性への不安感がありました。米国発の金融不安が世界中に広まり、「100年に一度の金融危機」とされるなか、リーマン・ブラザーズの破綻や米議会下院で金融安定化法案が一度否決されたこと、相次ぐ対策も各国の足並みが揃わなかったことで市場は疑心暗鬼の状態が続き、短期金融市場は凍りついていたのです。

 しかし、今回やっと実現性のある協調策が打ち出されたことで、市場はそれを素直に好感しています。投資家の不安心理を映すとされるVIX指数は 、10日に一時71.42と、過去最高にまで上昇していましたが、13日の取引では54.99まで下落し、過去最大の下げ幅を記録しています。これらのことから、対円相場はいったん反発局面に入ると考えられます。

【ドル・円は103円台半ばの水準に注目】
 ドル・円は3月17日の安値から8月15日の高値までの半値押し103.21円〜16日安値103.53円水準が引き続き注目です。この水準を回復できれば、8月15日高値の110.66円と27日高値の109.88円を結ぶ下降トレンドライン(現在105円半ば)への回帰が予想されます。ただ、このラインを上抜くまでは引き続き下値不安が存在します。10日安値の97.89円を割り込めば、再びパニック的な円高となり、3月17日の安値95.73円や節目の90円を狙った展開となる可能性もあるでしょう。VIX指数もいまだ高値圏にあり、この数字が30以下に落ち着くまでは円安トレンドとはならないと思われます。



2008年10月14日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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