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外為マーケットコラム

各国の金融政策に注目(2)

 先週の外国為替市場では、対円相場が大きく値を戻す展開となりました。週初に明らかとなった豪中銀による豪ドル買い介入と、円を名指しで懸念を示したG7共同声明がそのきっかけです。中川財務・金融担当相が日本の呼びかけで声明が出されたことを明らかにしたことで、先の豪ドル買い介入に続いて、今度は円売り介入が行われるのではないかという観測が高まったのです。そしてさらに追い討ちをかけたのが日銀の利下げ観測報道です。ドル・円は前週末の24日に3月17日の安値を下回り一時90.93円をつけましたが、週明け28日には99.70円まで上昇する展開となりました。

 しかし、注目された日銀金融政策決定会合では予想された0.25%の利下げを下回る0.2%の引き下げとなりました。そしてそれを受けた日経平均株価は大きく下落、そして円買いが加速しました。ただ日経平均の下落は、いままでの急上昇に対する利益確定の売りや、三連休を控えた手じまい売りが出たこともあります。今後の株式市場や為替市場の展開は、今週に相次ぐ米国の重要指標や追加的な金融政策、さらに欧州での金融政策動向にかかってくるでしょう。

【不美人見極め?】
 金融市場の緊張感がやや緩和したことで、市場の関心は各国の経済動向や金利動向に移りつつあります。先月30日に発表された7-9月期米GDPはマイナス成長、個人消費も前月比-3.1%と、91年以来となるマイナスとなり、下落率は1980年以来で最大となりました。そして米消費者信頼感指数は38.0と、前月の61.4から急低下し1967年の統計開始以来の最低水準となっています。また、8月のS&Pケースシラー住宅価格指数は、前年比で過去最大の落ち込みを記録、失業保険新規申請件数も高止まりしています。米国は住宅市場の低迷、雇用環境の悪化、株式の下落で個人資産が減少し、それが消費の減速につながるという負のスパイラルに突入しているようにみえます。

 そして今週の7日に発表される雇用統計で、金融危機の中、米国の雇用情勢が一段と悪化していることが予想されるため、その数字に注目が集まるでしょう。そしてそれを受けた市場が更なる利下げをどれだけ織り込むかが焦点となるでしょう。また欧州、英国の金利発表と今後の金利政策の見通しも大きな注目を集めると思われます。米国経済の失速は世界に影響を与えます。ユーロ圏や英国でも今後の利下げを示唆すれば、その利下げ幅がどの程度かが判断され、どの国が一番利下げ幅が少ないかという、不美人投票となることが予想されます。そしてその投票結果が為替市場を動かすでしょう。

【ドル・円チャート´↓】
 ではドル・円のチャートを見てみましょう。以下の図のように、ドル・円の値動きは´↓の範囲に区切ることができます。現在は△琉銘屬悩8紊諒向をうかがっている状況です。

 今後再び96円を割り込み、の範囲に下落してくれば、再び24日の安値90.93円を狙った展開となるでしょう。一方で、29日の高値99.70円を突破し、,糧楼呂望緇困任れば、10月20日の高値102.41円を狙った展開となることが予想されます。



2008年11月4日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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