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外為マーケットコラム

設備稼働率とダウ平均の関係

 前週は、中国の総投資額4兆元(約57兆円)という大規模な景気刺激策の発表を受けて、株高・円安でスタートしましたが、その効果も一時的なものとなりました。米保険大手AIGの予想を上回る赤字に加え、ドイツ銀行による米ゼネラル・モーターズ(GM)株価目標ゼロへの引き下げ、米国で第2位の規模を誇る家電量販店サーキット・シティの破綻、そして第1位のベストバイでも業績が下方修正されるなど、米国企業の業績下方修正が相次ぎ、株式市場は急落、円買いが加速しました。

 また、週末に発表された米10月の小売売上高が前月比2.8%減と、統計を始めた1992年以降で最大の下げ率を記録するなど、米個人消費の急速な減速が現実味を帯びてきたことで、世界経済の更なる悪化懸念が強まっています。

【財政政策が景気を下支えられるか】
 20カ国・地域(G20)による緊急首脳会合(金融サミット)では、金融システム改革に加え、成長を回復させるうえで財政政策が重要だとの見解が協調されました。今後は、金融政策に加え、各国による財政政策で、景気を下支えることができるかが焦点となるでしょう。ただ、市場では即効性を疑問視する向きがあり、いまだ先行き不透明感は払拭できない状況です。

 今週は、経済指標の発表が相次ぎ、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録をはじめ各国の金融政策議事録や日銀金融政策決定会合、さらに多くの要人による講演が予定されています。その中で、景気悪化の深刻度と、各国要人による経済対策への姿勢が天秤にかけられるでしょう。そしてその中で、相場は上下動を繰り返すことが予想されます。

 ではここで、17日に発表される米設備稼働率とNYダウ平均(ダウ工業株30種平均株価)の推移を見てみましょう。設備稼働率とは、生産能力に対する実際の生産量の比率を表しており、設備投資の先行指標とされています。下表をみても、設備稼働率は株価に先行していることが分かります。このことから、実体経済の先行指標である設備稼働率が上向きに転換しない限り、株価も上値が重い展開が続くと思われ、対円相場にも上値抑制圧力がかかるでしょう。



2008年11月17日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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