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外為マーケットコラム

今月がヤマ場???

 今週の注目材料は、8日の審議入りを控え正念場を迎えている米自動車大手3社(ビッグスリー)の行方です。また、米金融大手ゴールドマン・サックスが9―11月期決算で、1999年の上場以来初の最終赤字に転落するとの見方が台頭するなど、ポールソン米財務長官が不良債権の買い取りを撤回したことで、住宅・商業用不動産ローン担保証券の相場は急落しており、金融機関の評価損拡大が懸念されます。再び金融不安が台頭する可能性もあり、今後本格化する金融機関の決算に対する思惑にも注意が必要となります。

 11月の米国内自動車販売台数では、ゼネラル・モーターズ(GM)が前年同月比41.3%減、クライスラーが47.1%と目を覆う減少ぶりとなるなか、GMとクライスラーは「政府支援がなければ年内にも危機的な状態に陥る」とし、破たん寸前の状況となっています。そしてビッグスリーが破たんすることになれば、約25万人の雇用が喪失されるほか、世界の競合メーカーが米国内に置く生産ラインにも深刻な混乱が起きることになるのです。

 よって、このことからもビックスリーは救済される可能性は高いと思われます。しかし、前回、当然可決と見られていた金融安定化法案が下院で否決され、世界中の市場に大きな衝撃を与えたことがあります。そしてこの日のNYダウは、777ドル安と過去最大の下げ幅を記録したのです。したがって今後もこの問題には注意が必要であり、さらにビッグスリーの資金繰りのために発行されてきた社債を多く保有する米大手商業銀行の動向にも注意が必要となるでしょう。これらの懸念に加え、FRBによるドルのばらまきでじゃぶじゃぶとなったドルに対する売り圧力の強まりにも注意したいです。

【ドル・円はトレンドラインを突破できるかが焦点】
 先週は米経済指標が軒並み大幅な悪化を示したものの、シティ救済策に続き、相次ぐ大規模な追加金融支援策が好感されたほか、オバマ次期米大統領による新政権の人事が明らかとなったことで、今後の金融危機克服や米経済の回復が期待され、株式市場は堅調に推移しました。

 しかし、ドル・円は上値の重い展開が続いています。ドル・円は結局9月29日の高値と10月3日の高値を結んだ下降トレンドラインを上抜くことができませんでした。そしてその原因には、前日の米国株が上昇したにもかかわらず、東京時間では円買いが優勢となったことが挙げられます。これは輸出企業がドル・円の売り水準を徐々に引き下げ、以前100円に迫ると活発化していた輸出企業の売りが、現在は97円台で出ているためだと思われます。ドル・円相場が100円から徐々に遠ざかっている中で、90円台後半での売り圧力は強まっている状況となっています。今後、このトレンドラインを上抜くことが出来るかが焦点となるでしょう。

【来月の雇用統計で底打ちとなるか?】
 ではここで米雇用統計の推移を見てみてみましょう。今回の米景気後退で、非農業部門雇用者数は11カ月連続の減少を記録、そして減少幅は1982年以来の大幅なものとなりました。また、新規失業保険申請数の4ヶ月平均や失業保険継続受給者数も1982年以来の水準となっています。そしてこの1980年代前半の景気後退時には、非農業部門雇用者数の減少が17カ月続きました。現在はまだ11カ月であることから、今後も雇用者数の減少は続くと思われます。

 ただ、1980年代の景気後退で、雇用者数の減少数が最大となったのは、マイナスとなってから12カ月後でした。このことから、今回も同様の展開となれば、来月の12月雇用統計で、雇用者数の減少数が最大となり、その後回復に向かうと考えられます。今月がヤマ場となるかもしれません。

 しかし、気になるのは1982年12月に1930年代の大恐慌以来の最高水準を付けた失業率です。このときの失業率はなんと10.8%。今後、米国経済がさらなる悪化に陥れば、この水準まで悪化しても不思議ではないと見ている向きもあります。さらに、ビッグスリーのうち、1社でも経営破たんすれば、この数字もありうると見られているのです。

 1月からのオバマ新政権での景気対策が、雇用の改善を促し、12月の雇用統計で底打ちを迎えることに期待したいですね。





2008年12月8日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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