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外為マーケットコラム

ドル・円の下値不安は拡大

 今週注目となるのは、15-16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や16日に予定されているゴールドマンサックスの9-11月決算発表をはじめとする米金融機関の決算内容です。また、上院での廃案が伝わった米自動車メーカー3社(ビッグスリー)の救済措置の行方が引き続き市場の注目を集めるでしょう。

【ビッグスリーの行方、依然不透明】
 12日には前回、当然可決するものと見られていた金融安定化法案の下院否決、という悪夢がよみがえる展開となりました。今回は、上院での自動車救済法案が廃案となったのです。そしてその報道を受けて、12日のアジアの株式市場は軒並み急落。リスク回避の動きが強まったことで円高が加速し、ドル・円は10月24日の安値1ドル=90.93円を割り込み、一時1995年8月2日以来、13年4カ月ぶりの88.10円をつける事態となったのです。

 しかし、救済策が廃案となったことで、米政府は金融機関の救済を想定して成立させた金融安定化法に基づく公的資金を、ビッグスリー救済に活用することを検討すると発表しました。この金融安定化法とは、7,000億ドル規模の不良資産救済プログラム(TARP)です。この政府による救済の発表を受けて、一時大きく下落していた米株式市場は反発して引けました。

 ただ、政府の公的資金の活用で当面の資金繰りのめどがついたものの、今後も自動車販売が回復しない限りは経営の継続は難しい状況です。また、TARPの残り資金3500億ドルのうち、活用法が決まっていないのは150億ドルのみであることや、全米自動車労組(UAW)との賃金問題など、先行きはいまだ不透明な状況です。ビッグスリーが破たん処理となった場合、米雇用が一段と悪化し、世界経済に大きな下押し圧力がかかる可能性があります。

【ドル安に転換か】
 外国為替市場ではドル安基調が徐々に強まっています。その原因には、雇用情勢の一段の悪化をはじめ、相次ぐ経済指標に表れている米経済減速の深刻化や米自動車大手の破綻懸念の継続、さらに米財政赤字の膨張があります。

 09会計年度(08年10月〜09年9月)の米財政赤字は、最初の2カ月だけですでに年間で過去最高だった前年度の財政赤字に迫る規模に達しています。そして金利面でも、ドル安圧力がかかりやすい状況です。今回のFOMCでは景気悪化を背景に大幅な追加利下げを行う公算が大きく、FF金利先物市場では、FF金利が0.25%に引き下げられる確率を完全に織り込んでいます。

【ドル・円の下値不安は拡大】
 ではここで、ドル・円のポイント・アンド・フィギュアチャートを見てみましょう。ポイント・アンド・フィギュアとは、点(point)と形状(figure)という意味のチャートの一つであり、時間を横軸にとらずに上昇を×、下落を○というように値動きのみで表現するチャートのことです。ここでは1枠を30銭としています。このポイント・アンド・フィギュアチャートをつかった売買では、前回の高値(安値)を上(下)に抜けたところを買いサイン(売りサイン)とします。

 これを見ると94円を下回ったところで売りサインが出ていますね。そして現在下値支持線に下支えられる格好となっています。今後の展開としては、この下値支持線に下支えられて、いったん反発し、その後再び前回安値の90円を割り込んだところで売りサインが発生、次の下値支持ライン上の水準まで下落すると予想されます。そしてこの位置は、2007年6月高値と3月17日の安値、8月15日高値を結んだ長期波動のN計算値である82.25円近辺となるとみられます。



2008年12月15日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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