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外為マーケットコラム

不美人はどの通貨?

 今週の為替市場は、米金融安定化策や景気対策に加え、連邦破産法11条の適用を申請する可能性もある米ゼネラル・モーターズ(GM)の行方が注目ポイントとなります。また、ロシアに関するニュースでユーロが急落、英銀行の赤字拡大観測でポンドが急落するなど、欧州通貨に関するニュースにも注意が必要です。

【期待と失望の繰り返し】
 10日にガイトナー米財務長官が、市場の期待を集めていた新たな金融安定化策を発表しました。最大1兆ドルの不良資産を買い取る官民共同ファンドの設立を柱とした計画でしたが、発表後は、民間投資を呼び込む方法や資産の買い取り価格、投資家が損失を被った場合の保証方法など、重要とされた具体的な内容が示されなかったために失望につながりました。

 そして期待感で買われていた株式市場やドル円相場は下落し、期待感で買われていた分が剥げ落ちる格好となりました。今後もこのような景気回復期待での相場の上昇、そして失望感からの下落は繰り返されることになるでしょう。実体経済の改善にはまだまだ時間がかかると思われるからです。そしてその中で、いまはどの材料で相場が動いているのかを判断することが必要となるでしょう。為替市場ではどの通貨が注目されているのかが重要になります。

【円が売られる可能も・・】
 以前から悪化が懸念されていた日本の2008年第4四半期実質国内総生産(GDP)が発表されました。結果は前期比年率−12.7%と、第1次石油危機の影響を受けた74年1〜3月期(-13.1%減)以来の大幅な悪化を記録。現時点で最も景気後退が懸念されている米国の第4四半期GDPは、前期比年率−3.8%で、実は日本の方が米国よりも大幅にマイナス幅が大きいのです。このことを考えると、グローバル経済が悪化する中で不美人投票となっている為替市場で、今度は円が不美人に選ばれる可能性もあるでしょう。米国では総額7,870ドル(約72兆円)の景気対策法案を米議会上下両院で可決。住宅差し押さえ回避策も発表される見通しです。いままで米国や欧州経済に悲観的な見方が強かった反動で、今度は日本への悲観的な見方が強まる可能性もあります。

 ただ、いまだ株式市場が不安定であることや3月期末までは日本企業が決算期末を控えてリパトリエーション(資金の本国回帰)を行うことから、円買い圧力は常に存在します。対円相場は押し目を買う、または戻りを売るという逆張りの姿勢が有効かもしれません。

 また、ユーロ圏については、ロシアと経済的なつながりが強いことから、ロシアの信用格付けの引き下げや、民間債務の返済繰り延べを要請するとの報道でユーロが売られるなど、ロシア関連のニュースに注目が集まっています。一部では1998年に発生したロシア金融危機も意識されており、ロシア関連のニュースには注意が必要です。

 米国ではGMの動向が焦点となっています。GMは現在、連邦破産法11条の適用を申請するか、数十億ドルの追加融資を求め事業を継続していくかという2つの選択肢を迫られています。米政府によるつなぎ融資の条件として、17日までに事業の存続可能性を示す再建計画を提出する必要があるとされているため、その動向には注意が必要でしょう。

 ただ、各国で景気対策による国債増発やゼロ金利政策、量的緩和政策を行い、市場に資金をばらまくなか、通貨そのものへの信認が薄れていることも事実です。その象徴が金相場の急上昇でしょう。今後も為替市場では、不美人を探す展開が続くと思われます。

【TEDスプレッドに注目】
 ではここで、TED(テッド)スプレッドとドル円の関係を見てみましょう。TEDスプレッドとは、米国債利回り(短期国債3ヶ月物)とドル金利(LIBORのユーロドル3ヶ月先物)の差で、市場の不安心理を示すバロメーターとして活用されています。このTEDスプレッドは平常時なら1%以下に収まっていますが、金融市場で信用不安が高まると上昇します。なぜなら、不安が高まれば、信用力の高い米国債が買われて利回りが低下する一方、銀行間取引の金利は信用不安の高まりから上昇するからです。

 そして現在はこのTEDスプレッドが1%以内に収まってきています。米政府の積極的な流動性供給や金融安定化策で、金融市場は過度な不安感が後退し、短期的にも落ち着きを取り戻しつつあります。今後もこのTEDスプレッドが1%以内で落ち着く状態が続けば、ドル・円も上値余地が広がるでしょう。



2009年2月16日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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