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外為マーケットコラム

日本の第1四半期GDPに注目!

 今週の為替市場では、再建計画の提出期限が間近に迫る米自動車大手GMの動向や、連邦公開市場委員会(FOMC)議事録での今後の金融政策方針、さらに米住宅指標や日本のGDP、日銀の政策金利発表が注目されるでしょう。

【しばらくはレンジ相場か】
 ゼネラルモーターズ(GM)は6月1日の期限が迫る中、幹部が自社株を売り抜けていたことが破綻を連想させ、株価は20%超の急落、大恐慌にあった1933年以来の安値をつける展開となりました。部品メーカーへの6月2日の定例支払いを28日に前倒しで行うということからも、GMの連邦破産法適用申請の可能性が一段と高まっています。米国の失業保険申請件数は、自動車産業の拠点がある州を中心に増加し、失業保険の継続受給者数は過去最高水準を更新しています。また、4月の小売売上高が予想に反して減少したことも、米個人消費回復への期待を後退させており、米国の景気後退が長期化するとの懸念が再燃しています。

 ただ、過度の悲観論が後退していることは事実です。中国の需要増でバルティック海運指数が年初来高値を更新し、世界貿易も回復基調にあります。先進国でも、在庫調整にめどがつき、増産に踏み出す企業が増えている状況です。また、米金融機関のストレステスト(健全性審査)の結果が公表され、これまで不透明とされてきた金融機関の損失規模や必要な自己資本額が明らかになってきました。金融市場の不透明感が払拭されてきていることで、いままでのような金融不安での急落相場が続くことはないと思われます。株・為替市場はしばらく、景気低迷の長期化懸念やGMの破産法適用をめぐるニュースなどを受けた下落や、景気回復期待での上昇を繰り返し、レンジ相場となることが予想されます。

【リスクはいまだ存在】
 しかし、リスクはいまだに存在します。それは、実体経済がストレステストで想定した今年の米GDP成長率の3.3%減、失業率8.9%(来期は10.3%)を下回り、さらなる一段の悪化に陥った場合です。失業率はすでに8.9%となっていることから、今年これ以上失業率が悪化すれば、想定外の状況となるのです。また、米国債をめぐる議論が表面化してきており、米国債への不安感も高まってきています。米国債の動向も引き続き注意が必要でしょう。

【日本の第1四半期GDPに注目】
 また、ドル・円については、5月20日に発表が予定されている日本の第1四半期GDPにも注目です。前回、昨年第4四半期GDPが、前期比年率マイナス12.7%と、先進国中でも最悪の数字となったことが円安の転換点となったことは記憶に新しいですね。そして今回の予想はなんとマイナス16.2%なのです(米国はマイナス6.1%)。  下図は米国GDPと日本のGDPの差(前期比年率)とドル・円のグラフです。これをみると、ほぼ同方向に動いているように見えます。このことから、今回の日本GDPが予想通りのマイナス16.2%となった場合、米国GDPと日本のGDPの差は10.1%となり、この図から判断すれば、ドル・円も上昇すると予想されます。



2009年5月18日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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