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外為マーケットコラム

米金利の動向に注目

 今週の為替市場は、米小売売上高などの実体経済を反映する経済指標や、米地区連銀経済報告(ベージュブック)やミシガン大消費者信頼感指数での米景気の現状判断、さらに米財政収支の発表や総額650億ドルの長期国債入札を受けた米債券市場の動きが引き続き注目となります。

【米債券市場に注目】
 米国では、週末に発表された5月の非農業部門雇用者数は前月比34.5万人減と予想の52万人減に対して大きな改善を示しました。最近の経済指標の改善に加え、雇用情勢にも改善の兆しが見えたことで、景気の回復期待が台頭しました。そしてそれに伴い、早期利上げ観測が広がり、米短期・長期金利がともに上昇したことで、ドルが全面高となりました。FF金利先物相場(米政策金利への市場の見方を示す)は、米連邦準備制度理事会(FRB)が、今年末に利上げを行うことを織り込む動きとなっています。金利動向に影響を受けやすい為替市場では、利上げ期待の高まった国の通貨が買われやすいのです。

 いままで懸念されていた米長期金利の上昇の要因は、景気対策に伴う米国債の大量発行で、米国債の買い手が不足するのではないかという、需給懸念が主なものとなっていました。このことは米国債やドルの信頼を損ねることから、ドル売りにつながっていました。

 しかし、今回の米国金利の上昇は、米景気回復期待に対するもので、よい金利上昇となっています。中国をはじめとする米国債保有国が、今後米国債購入を控えるとの思惑があった中、日本・中国・韓国・インドの金融当局筋が、「米国債の格付けが引き下げられたとしても、主要準備通貨として米ドルに代わる通貨はないため、外貨準備政策にほとんど影響はない」との見解を示したことも、米国債やドルへの懸念を後退させました。

 よって今後もドルの動向を見る上では、米金利の上昇がどの要因に基づくものなのかが注目されます。米国経済の回復で、早期利上げ期待が広まり、米国の短期・長期金利がともに上昇するようなら、ドル高となるでしょう。一方、米国債への需給懸念による米長期金利の上昇(10年債と2年債の差の拡大が現れるイールドカーブのスティープ化)は悪い金利上昇となり、ドル安要因となります。

 今週は再び、9日に350億ドルの3年債、10日に190億ドルの10年債、11日に110億ドルの30年債という総額650億ドルの米国債入札が実施されます。この入札状況を受けて米国債への需給懸念が再燃すれば、再びドルが売られる可能性があるため、注意が必要でしょう。

【失業率はすでに想定外】
 今回の雇用統計では、雇用者数の減少幅は縮小したものの、失業率は9.4%と、ストレステスト(健全性審査)での前提条件である「今年の失業率の上限8.9%」をすでに超える水準まで上昇しています。失業率は遅行指標なことから、今後の雇用情勢の好転で減少に転じると考えられますが、長期金利の上昇が、企業の資金調達コストの増加や個人の住宅ローン負担の拡大につながり、景気の足かせとなる可能性があります。

 以下の図は米FF金利先物(11月限)とドル円の関係を示しています。ドルが一段高となるには、持続的な景気の回復局面が続き、米国の利上げ期待が高まることが必要でしょう。

【破綻申請後のGMの動向にも注目】
 また、GMの破綻申請は市場では織り込み済みとなっていますが、今後の関連企業への影響はいまだ不透明です。GMの破綻は、米クライスラーと同様の「事前調整型」の破綻処理で、短期再建を目指すものです。ただこの再建計画が長期化することになれば、産業界への破綻ショックの拡大は必至です。今後、大量の失業者が出る可能性もあり、景気への悪影響が懸念されます。



2009年6月8日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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