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外為マーケットコラム

FF金利先物相場に注目、BRICsサミットに注意

 今週は重要イベントが盛り沢山の予定となっています。欧米経済指標の重要指標が相次ぐ上、16日にはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)首脳会議、18日にはEUサミットが開催されます。また、これらのイベントを受けた米金利の動向に焦点が当たるでしょう。

【米FF金利の動向に注目】
 5月の米雇用者数が大幅に改善したことを受けて、米景気の底入れ期待が膨らみ、ドルが一時全面高となりました。この背景にあるのは、米国の政策金利の引き上げ観測です。金融市場が安定している中では、為替市場は金利差に影響されやすく、利上げ観測が高まる通貨が買われやすいという特徴をもっています。

 このことから、今後のドル相場を見る上では、米国の政策金利の動向を見極める必要があるでしょう。そして米政策金利の動向を先取りするFF金利先物に注目が集まると思われます。米連邦準備制度理事会(FRB)などをはじめ、各国の中銀は今まで行ってきた異例の金融緩和によるインフレ懸念を和らげるために、その出口戦略を議論しています。今後は、利上げを含めた金融政策に注目が集まり、米国の金利先高感が強まれば、ドルが買われる展開となるでしょう。

【ドル・円の上値は限定的】
 では、ここで米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ動向を先取りするFF金利先物(6カ月先)とドル・円の2007年以降のデータを回帰分析したものをみてみましょう。下の図からもわかるように、FF金利先物とドル・円相場は相関関係が強いことがわかります。

 そしてこれから判断すると、現状の金利水準(0.395%)でのドル・円の適正水準は94.90円程度となっています。また、上値限度(標準偏差プラス2シグマ)でも99.96円となっていることから、今後大幅な利上げ観測が台頭しない限り、ドルの上値は100円程度となり、限定的なものとなりそうです。下値も同様に判断すると、ドル・円の下限(標準偏差マイナス2シグマ)は89.83円となります。

 さらに、ドル・円の100円水準が適正水準となるには、FF金利が1.32%となることが必要となります。これは現在の政策金利0.25%から1%以上の利上げ観測が強まる必要があり、今後の景気次第ではあるものの、当面は難しいと思われます。

【BRICsサミットに注意】
 また、ここにきてロシアが保有する米国債を売却し、ドル資産での運用比率を引き下げる方針を示したことで、中国金融当局筋などの発言でいったんは後退していた米国債への懸念が再燃していることには注意が必要です。16日にロシアで開かれるBRICs首脳会議では、ドルに代わる新たな準備通貨創設が話し合われる見通しとなっており、その動向には注目が集まっています。ドル資産への懸念が再び強まれば、ドル売りが加速する可能性があります。



2009年6月15日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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