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外為マーケットコラム

調整局面が続く見通し

 今週は、月末で、また四半期末である上、米ISM景況感指数や雇用統計をはじめ、各国の重要な経済指標が相次ぐことから、ポジション調整などの需給要因や、発表時の反応には注意が必要でしょう。そして発表された経済指標を元に現状の景気動向を判断する週となりそうです。

【しばらくは調整局面が続く見通し】
 3月の初旬から今まで続いてきた株高は、米国の先行指標である景況感指数や、消費者信頼感指数などの改善で、米景気の回復期待が広がったことが、相場を押し上げてきたことにあります。そして現在の株の調整局面は、先行した期待と実体経済の間の溝を修正する動きだと思われます。今後の調整がどこまで続くかは、先行した景況感の改善に伴った実体経済の改善がみえるがどうかが鍵となりそうです。

 そして今週発表される経済指標には、6月のシカゴ購買部協会景気指数やISM製造業景況指数、消費者信頼感指数などの景気に先行する指数に加え、4月のS&P/ケース・シラー総合指数や5月中古住宅販売保留、さらに6月雇用統計などの住宅や雇用という景気に一致する、もしくは遅行する指標が発表されます。

 よって、今週の相場では、今回の不況の要因ともなった米国の住宅市場や雇用情勢の改善が指標に表れるかが焦点となるでしょう。ただ、現時点での指標予測では、先行指標である景況感指数は改善が予想されているものの、遅行指標の住宅、雇用指数はいまだ悪化傾向にあることが予想されています。このことから、景況感指数の改善を好感し、一時的にも株高となっても、その後の住宅や雇用指数を受けて市場の楽観論が後退すれば、株の上値も限定的となりそうです。このことから、為替市場でもドル・円の上値は重いと思われます。

 米国では、失業率の悪化が続き、消費も抑制されるなか、100年に一度の金融危機とも言われた景気後退からの脱却には、長い時間がかかると思われます。確かに景気悪化ペースは鈍化しており、株式市場がただちに下値を追うような下落も考えにくいのですが、住宅市場の低迷が続く現在の状況下では、いまだ金利の上昇が景気のさらなる下押し圧力となる可能性が残っています。今後しばらくは、景気対策などの効果を見極めながら、実体経済が先行した期待に追いつくのを待つ調整局面が続くと思われます。そしてドル・円は93-97円程度でのレンジ推移が予想されます。



2009年6月29日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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