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外為マーケットコラム

NYダウが9,000ドルを回復するには?

 今週の注目点は米金融機関をはじめとする決算発表や、米中経済指標です。内容次第では景気の回復期待が再び高まる可能性もある一方、金融不安が再燃する可能性もあるため、注意が必要でしょう。

【再上昇か下落幅拡大か】
 景気回復先取りする格好で上昇基調を維持してきた株・商品市場は米雇用統計をきっかけにともに反落しました。そしてそれに伴い、為替市場でもリスク回避の動きが強まり、円高が加速する展開となりました。どの市場も景気回復を織り込む過程が急ピッチで進みすぎたことへの反動が出ています。ここから注目されるのは、今後再び上昇に転じるのか、またはこのまま下値を拡大するかということでしょう。注目ポイントとなるのは、中国経済の動向や米経済の回復度合い、さらに欧米金融機関の決算内容だと思われます。

【米中国経済指標や株・商品相場の動向に注目】
 8日開幕したサミットでは、経済政策協調をはじめとする課題すべてに、新興国が重要な役割を果たすようになったことが鮮明となりました。中でも来年には日本のGDPを越すとされる中国経済の動向には今後も注目度が高まるでしょう。堅調な中国経済が世界経済減速に歯止めをかけるとの見方も強くなっています。前月はGMの破産法申請にもかかわらず、中国経済指標の好結果を受けて世界的な株高となる場面がありました。今週発表される中国経済指標の結果も好感されれば、中国経済を中心とした世界経済への回復期待が再び高まり、株・商品市場ともに上昇に転じる可能性があります。そして為替市場では、クロス円主導での円安となるでしょう。

【金融不安の再燃がリスクか】
 一方、リスクシナリオも存在します。それは今回の相場の暴落要因ともなった金融不安の再燃です。仏大手銀行が多額の評価損を抱えているとの報道や米保険大手のAIG株がCDS市場における損失の拡大が懸念されて急落するなど、欧米金融機関への不安が再び高まりつつあります。

 米財務省の不良債権買い取り計画は、当初想定された規模を大きく下回る見通しです。最近の景気回復で不良資産を割安な価格で処分する必要がないとの見方や、損失を確定したくない向きがあるようです。ただこの状態では、今後再び景気が悪化した場合、不良資産の価値がさらに悪化し、損失が膨らむ可能性があります。

 米雇用情勢の悪化は続いており、企業業績が在庫調整などで一時的に回復しても、雇用の回復がなければ個人消費が伴わず、持続的な景気回復とはなりません。そしてそれが住宅ローンの延滞や貸し倒れの増加となり、結局は金融機関の不良債権価値の悪化につながるという負のスパイラルへの懸念はいまだ払拭できない状況です。今後スタートする金融機関の決算が市場の不安を煽れば、信用不安が再燃し、株安とリスク回避目的の円全面高が一段と進む展開も想定されるでしょう。

【NYダウが9,000ドルを回復するには?】
 ではここで、景気回復の鍵ともなる米雇用情勢とNYダウの関係を見てみましょう。ただ、雇用統計は月に一度しか発表されないことから、今回は毎週発表される米新規失業保険申請件数に注目してみます。

 今後景気回復期待が再び強まり、株式市場の下値不安が後退するには、NYダウが6月につけた8,877.93ドルを上回り、9,000ドル台に乗せることが必要でしょう。2000年以降のNYダウと新規失業保険申請数のデータを見てみると、ダウが9,000ドル以上の水準をつけているときの新規失業保険申請件数は最大でも49万1,000件でした。このことから、今後NYダウが9,000ドルを回復するには最低でも新規失業者申請件数が50万件以下まで落ち着く必要があるでしょう。

 現状の新規失業保険申請数はいまだ60万件前後です。ただ、徐々に減少してきているのは事実で、申請件数は3月27日までの週の67万4,000件をピークに、直近の7月4日までの週では56万5,000件まで減少しました。14週で10万9,000件減少したことになります。よって仮にこのペースでの減少が今後も続くとすれば、新規失業保険申請数が50万件を割り込むのは8週後の9月上旬となります。このことから判断すると、9月の上旬まではNYダウは9,000ドルを上限に上値の重い展開となることが予想されます。ただ、今後雇用環境の改善が現状のペースで進めば、今秋以降は株高も期待できるでしょう。



2009年7月13日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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