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外為マーケットコラム

政権交代?1993年のドル・円の動きと比較すると

 今週の為替市場は、引き続き米企業の決算内容や、米景気回復の鍵を握る雇用、住宅、個人消費関連の経済指標が注目されるでしょう。またバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長による半期に一度の金融政策・経済報告が予定されており、市場の注目を集めそうです。

【製造業には回復の兆し、雇用に結びつくか】
 発表がスタートした米第2四半期の決算では、ゴールドマン・サックスとインテルが相次いで予想を上回る決算を公表したことが市場心理を好転させました。半導体製造世界最大手であるインテルの好業績は、最近の米経済指標における製造業の景況感指数の改善を裏付けるものです。注目された中国の国内総生産(GDP)も予想を上回る伸び率となったことから、世界景気の回復基調が継続していることが示される内容となりました。

 そして今後は、これが雇用に結びつくかが注目となるでしょう。米製造業は回復基調にあるものの、いまだ米国の鉱工業生産は減少傾向が続いており、労働需要は限定的です。ただ、今後米国でも増産に転じる展開となれば、労働需要も増加し、雇用情勢の改善に結びつくでしょう。

 また、もう1つの景気回復の鍵である住宅市場では、一時懸念された長期金利の上昇が落ち着いてきていることもあり、改善の兆しが見えてきています。今週予定されている米経済指標でも期待に沿った内容となれば、早期の景気回復期待が台頭し、株式市場の上昇とクロス円主導での円安となるでしょう。

【バーナンキ議長による米経済報告や金融政策方針に注目】
 21日のバーナンキ議長による議会証言では、現在の非伝統的な金融緩和政策に対する出口戦略(金融引き締め)についての言及があるかどうかが注目されています。早期の金利引き上げ観測が高まればドル高要因となります。

 しかし、現状では米個人消費の本格的な底入れはみられず、インフレも抑制されていることから、出口戦略をとるのは時期尚早だと思われます。本格的な景気回復がみられるまでは米金利は低水準に落ち着くと思われ、金利動向に影響されやすい為替市場では、相対的に金利の高いユーロや豪ドルなどを中心としたドル安基調が続くと思われます。

 ただ、ドル・円に関しては、現在の相場は株安局面でリスク回避のドル高・円高、株高局面ではリスク選好のドル安・円安傾向となることから、値動きは限定的でしょう。現状の米FF金利12月限とドル・円の関係から回帰分析で求めたドル・円の水準は93-98.70円(残渣の標準偏差を考慮)となっています。

【衆議院選挙とドル・円】
 麻生首相は衆議院を解散し、8月30日に第45回の衆議院議員総選挙を行うことで与党側と合意したようです。世論調査での麻生政権に対する低支持率や、先日行われた東京都議会選挙で民主党が第一党に躍進したことから、政権交代が実現するとの見方が強くなっています。政権交代は、1993年7月18日に行われた第40回衆院選以来、約16年ぶりのこととなります。

 ではここで現在と1993年時のドル・円相場を比較してみましょう。上図は1991年からのドル・円の動きとの比較、下図は1993年の総選挙の日と今回の総選挙の日を合わせた図です。これを見ると、よく似た動きをしていることが分かります。今後も同様の動きをすれば、ドル・円は衆院選後に一段安となった後、今秋以降には円安方向に向かうと予想できます。





2009年7月21日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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