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外為マーケットコラム

大口投機家(ヘッジファンド)の動きに注目

 今週の為替市場では、引き続き各国の雇用、住宅、個人消費の動向を示す指標に注目が集まるでしょう。そしていまだ先行きが不透明な中、指標の数字に対して一喜一憂を繰り返す展開がしばらくは続き、株価に連動した相場(株高で円安・ドル安、株安で円高・ドル高)となるでしょう。

【個人消費の動向が改めて注目される】
 世界的景気回復の持続性が問われるなか、各国で個人消費の動向が改めて注目されています。各国の財政出動による景気刺激策で、一時的に回復をみせた個人消費ですが、米小売売上高の予想外の悪化に見られるように、自動車買い替え支援策など景気対策に関連した支出はみられたものの、それ以外の消費は依然としてさえない状況が続いています。8月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報が予想外の悪化となったことも、消費者がいまだ先行きに懸念を持っていることの表れでしょう。25日に発表される8月の米消費者信頼感指数も、消費者心理を反映し、個人消費の先行指標となることから、注目が集まると思います。

 また、この個人消費低迷の背景にあるのが、雇用情勢の悪化です。在庫や雇用の削減で、企業業績の回復はみられるものの、それがいまだ積極的な雇用にはつながっていません。失業率は高水準にとどまっており、雇用統計の先行指標となる米新規失業保険申請件数も最近では増加傾向にあります。賃金の低下が、景気刺激策による消費拡大効果を抑制しており、このことが、景気の早期回復期待を後退させています。今後も雇用動向には注目が集まり、27日に発表される新規失業保険申請件数の数字にも注意が必要でしょう。

 そして住宅部門では、前週末に発表された7月の米中古住宅販売戸数が前月比7.2%増と予想を上回る増加となったことが前週末に市場で好感され、NYダウ平均は年初来高値を更新しました。今週は、25日に6月S&P/ケース・シラー全米住宅価格指数、26日に7月の新築住宅販売件数が発表される予定となっており、引き続き前月比で改善を示す予想となっています。住宅価格が安定化すれば、個人資産の増加や、資産評価の改善で金融システム全般に安定化をもたらします。住宅市場の回復が続くのかが今後も注目されるでしょう。

 このように今後、景気対策が限定的となるなかで、雇用、消費、住宅が、早期に正のスパイラル(雇用の増加⇔消費改善⇔住宅価格の上昇)に入れるかどうかが景気回復の分岐点となるでしょう。

【銀行の不良債権への懸念】
 ただ、現状では再び負のスパイラルに戻る可能性も否定できません。先日、米地銀大手コロニアル・バンク・グループが、自主再建を断念し、経営破綻しました。資産規模は6月末時点で約250億ドル(約2兆3700億円)と今年最大です。また、米国で今年破綻した銀行は77行と、昨年の3倍を超えています。

 住宅市場には、改善の兆しが見られるものの、住宅ローン残高が住宅の現在価値を上回るローンの借り手が増加しており、これは一段の差し押さえ増加と住宅価格の下押し圧力となります。そしてそのことが銀行の不良債権の増加につながり、新規貸し出しが抑制されることが、景気回復に水を差す可能性があるでしょう。景気回復が遅れれば金融機関の経営不安が再燃する恐れもあり、再び負のスパイラルに戻る可能性もあるでしょう。

【大口投機家動向に注目】
 ではここで、米商品先物取引委員会(CFTC)が発表するIMM通貨先物の取組高を見てみましょう。8月21日に発表された、18日時点の取組状況では、ドルに対する円、ユーロ、ポンド建玉がすべてフラットに近い状況になっています。これは、大口投機家(ヘッジファンド)が、9月決算前の解約通知期限である8月中旬(決算の45日前)以降、ポジション調整を行ったからではないかと推測されます。ヘッジファンドが資金を投じていた中国株も、大幅に下落しました。そうだとすれば、今後ヘッジファンドがどちらの方向にポジションを構築するのかが相場の方向を占う重要なポイントとなるのではないでしょうか?





2009年8月24日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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