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外為マーケットコラム

円高圧力が強まるか

 今週の為替相場は、日本の衆議院選挙での民主党勝利と政権交代に対する外国人投資家の動きや、米雇用統計やISM製造業景況感指数などの重要経済指標、さらに週末の20カ国・地域(G20)財務相会合を控えたポジション調整の動きに注意が必要でしょう。

【円高でスタート】
 第45回衆院選では、民主党が圧勝しました。そしてこれを受けて為替市場では円高でスタートしています。政局の先行き不透明感が後退したことや、政策転換での日本の景気回復期待が、日本買い=円買いにつながったようです。ただ、選挙結果については、織り込み済みとの見方も多く、この点に関しては今後の政策を見極める必要があります。大規模な景気対策を実行する場合、赤字国債の発行が必要であり、このことは日本の財政赤字の拡大につながることから、長期的な円安要因となります。為替市場では、引き続き米国経済の動向に注目が集まり、株式市場や債券市場の動きに左右される展開が続くでしょう。

【大口投機家は円高予想?】
 ただ、8月25日時点の米商品先物取引委員会(CFTC)が発表するIMM通貨先物の取組高では、前週ほぼフラット状態にあった、ドルに対する円買いポジションが積み上げられていました。これは大口投機家(ヘッジファンド)が、今後円高に行くと見ている可能性があります。

【円高要因も】
 また、株式市場の上下にかかわらない円高要因もあります。それは、今年度に改正された海外子会社からの配当を非課税化するという税制です。これは、2005年のユーロ・ドル下落の一因となった米雇用創出法の内国投資促進条項(本国投資法)の日本版との見方もでき、いままで海外に内部留保として積み上げていた資金が日本に還流することから、ドル売り/円買い要因となります。実際、9月末の決算を控え、海外の子会社から資金還流を活発化させる企業の増加が見られるようです。

 さらに為替相場を動かす要因のひとつとなる金利差に注目してみると、日米間の金利差では、長期金利差(米−日)が縮小、さらに短期金融市場では、3カ月物のドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が過去最低水準を更新し、16年ぶりに円LIBORを下回るという事態になっています。このことはドル安・円高圧力が強まることを意味しています。

 では実際に、3カ月物のドルLIBOR−円LIBORとドル円の関係を見てみましょう。下図では3カ月物のドルLIBOR−円LIBORを8ヶ月先行させています。これを見ると、ほぼ似たような動きをしていることが分かりますね。そしてこれから判断すれば、今後は円高圧力が強まると予想できます。



2009年8月31日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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