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外為マーケットコラム

株高で円売り圧力が強まるか

 今週の為替相場では、本格化する米国企業の決算内容や米経済指標を受けてNYダウが年初来高値を更新し、一段高となるかに注目です。

【各国は出口戦略を模索】
 昨年の今頃、金融市場は世界的な景気悪化や米議会上下院での可決が確実視されていた米金融市場安定化策法案が予想外の否決となったことなどを背景に、金融恐慌を思わせる大混乱の展開となっていました。NYダウの9,000ドル割れ、日経平均の9,000円割れ、ドル・円の1ドル=100円割れはちょうどこの時期に起こっています。市場の混乱は最高潮に達し、マーケットは金融当局に一段の金融緩和と流動性供給を求めていました。

 しかし、年がかわって現在では、状況が一変しています。世界的な景気の回復を背景に、各国では経済危機に対応した金融緩和を平時に戻す出口戦略が模索されるようになってきました。そしてそれを象徴するように、6日には豪準備銀行(RBA)が主要20カ国(G20)でいち早く利上げに踏み切りました。

 また米国でも8日、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長がワシントンでの会議で、「経済見通しが十分に改善すればFRBは引き締め準備態勢に入ることになるだろう」と述べ、米国においても景気回復が定着するなかで、景気支援策から出口戦略へと着実に向かっていることを示しています。

【株高・円安基調が強まるか】
 米株式市場では、先陣を切って発表されたアルミ大手のアルコアの決算が予想外の黒字となったことで、これから本格化する7─9月期の米企業決算発表に期待が強まっています。13日には米ハイテク大手のインテルの決算が発表されますが、前回のインテルの好決算が7月相場の上昇のきっかけになった経緯があるだけに、その内容には要注目です。

 今回の米企業決算では、堅調な海外需要やドル安、さらに低金利が後押しとなり、好決算が相次ぐ可能性が高く、株式市場は再び上昇基調を強める可能性があるでしょう。前回の記事でも紹介した、NYダウとの相関性が高い米新規失業保険申請件数は、3日までの週で52.1万件と、注目していた7月10日の52.4万件を下回ってきていることからも、今後、NYダウが年初来高値を更新して一段高となる可能性があるでしょう。そしてその場合、投資家によるリスク許容度の改善から、円売り圧力が強まると思われます。

【豪ドル・円の堅調推移が続く見通し】
 豪ドルは、前週のRBAによる政策金利の引き上げを受けて、主要通貨に対して買われました。金利動向に影響を受けやすい為替市場では、金利の上昇は通貨高の一因となります。また、前週発表された9月の豪雇用統計での雇用情勢の大幅な改善で、豪州での景気回復が鮮明となったことから、一段の利上げ期待が強まっています。今後、株高となればリスク志向の豪ドル買い/円売りも強まると思われ、豪ドル・円は一段高が期待できると思います。



2009年10月13日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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