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外為マーケットコラム

各国金利動向に注目

 今週は、重要イベントが目白押しです。10月米ISM製造業景気指数や雇用統計などの重要経済指標に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧州中銀(ECB)、英中銀(BOE)などによる政策金利の発表があります。

【金利動向に注目】
 各国で出口戦略への移行が議論されるなか、今後の金融政策に注目が集まっています。金利動向に左右されやすい為替相場では、各国の金融政策や金利動向が、相場を見る上で重要になります。先日、オーストラリアが先進国で初めて利上げに踏み切ったことで豪ドルが買われたように、今後のドル・円相場を占う上でも、米金利の動向には注目でしょう。

 実際、ドル・円と米国債券利回りとの間には相関性があり、直近3カ月のデータでは、米10年債との相関係数が0.85、米2年債との相関が0.83、米3カ月債との相関が0.82となっています。このことから現在のドル・円を見る上では、米10年債の動向を見ることが重要だと思われます。

 前週、英フィナンシャル・タイムス紙が、今回のFOMCで「超低金利政策を長期にわたり継続する」との文言を改める可能性を指摘したことで、米国の利上げ時期が予想以上に早まるとの見方が台頭し、米10年債の利回りが3.4%台前半から一時3.55%と、8月21日以来の水準まで上昇しました。このことを受けて為替市場では、ドルが主要通貨に対して買い戻され、ドル・円は1ドル=92.32円まで上値を伸ばしました。しかし、その後の経済指標の悪化を受けて米10年債利回りは急低下し、それに伴い、ドル・円は再び89円台まで売られる展開となっています。

 今週はこれから発表される米重要経済指標やFOMCを受けて、米債券市場がどのように反応するかに注目です。経済指標では予想を上回る数字が出るかどうか、FOMC声明では、今後の米経済見通しや、「超低金利政策を長期にわたり継続する」との文言に変更があるかが注目となるでしょう。これらを受けて、米10年債利回りが直近安値(10月2日)の3.104%を割り込んでくれば、ドル・円も直近安値の88.01円を割り込むでしょう。

 また、ドル・円の日足チャートから判断すると、7日の安値88.01円を割り込めば、1月21日の安値87.10円や、4月6日の高値を起点とする下降チャンネルの下限を目指しそうです。一方で、今後一目均衡表の雲の下限(30日NY終値時点で91.02円)を超えてくれば、9月21日の高値92.53円や雲の上限93.02円、さらにチャンネル上限の95円近辺を目指すでしょう。

【底流にあるドル安基調は不変】
 ただ、米債券利回りの上昇で一時的にドルが買われたとしても、ドル買いは限定的となりそうです。10月消費者信頼感指数が予想外の悪化となり、9月の米個人消費支出が5カ月ぶりの減少となるなど、米個人消費が再び下振れするリスクがあるほか、9月の新規住宅販売件数の悪化や、米政府による初回住宅購入者向けの税控除措置の期限を11月末に控え、住宅市場が再び低迷に向かう可能性があります。

 また、米連邦準備制度理事会(FRB)も、景気が好循環入りし、持続的な景気回復が確認されるまで低金利政策を継続するでしょう。米国のインフレ圧力の低下からも、米金利の上昇が限定的になると予想されます。そして、G20金融サミットで合意されたグローバル・インバランス(世界的な経常収支の不均衡)の是正に向けての取り組みの中では、経常赤字国である米国では、ドル安への誘導が必要になることからも、一時的なドルの反発があっても、基本的なドル安基調は不変であると考えられます。





2009年11月2日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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