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外為マーケットコラム

ドルキャリー取引再開?

 今週の為替市場では、米国の主要経済指標の発表が相次ぐことや、米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめ、各国中銀の要人による講演が多数控えているため、それらに対する反応で相場が上下に振れる可能性があるため、注意が必要でしょう。

【リスク志向が強まりやすい環境は続く、ドルキャリー取引再開か】
 G7(日米欧などの主要国)にロシアや中国など新興経済国を加えた20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議では、世界経済の回復が確実になるまでは景気刺激策を維持するという方針で合意をしました。実際、米国ではFRBが低金利政策の継続を示唆し、米議会は11月末で切れる予定になっていた住宅取得者への減税措置を来年4月まで継続することや、失業保険の給付期間の延長を柱とする法案を可決しています。そしてオバマ大統領はさらに追加の支援策を検討中であるといいます。

 このような各国の低金利と景気刺激策の継続は、投機マネーのリスク許容度を上昇させ、株高・商品高要因となります。米金融機関の四半期融資状況調査では、「企業向け融資基準を厳格化した」との回答が約15%と、昨年10月のピーク時の83.6%に比べ5分の1弱まで縮小し、2007年7月以来の低水準となりました。リーマン・ショック後の金融危機以降、各国の協調した金融緩和策によって金融市場は安定化し、流動性は確保されています。

 そしてこの状況下では引き続きリスク志向が強まる傾向が続くとみられ、株高・商品高、為替市場では高金利通貨買い・ドル売り・円売りとなりやすいと思われます。IMM通貨先物では4週連続で続いていたユーロ買い/ドル売りポジションの解消がいったん止まり、今回発表された11月9日までの週の統計では、再びドル売りポジションの再構築がありました。今後、金利の低いドルを売って高金利通貨や他の資産(株や商品)に投資するドルキャリー取引が再開されるかどうかに注目です。また、株高局面では同じく低金利の円も売られやすいでしょう。

【米小売売上高に注目】
 16日に発表される10月の小売売上高は、これからスタートする年末商戦に向けての米個人消費の手がかりとなるため、注目されるでしょう。予想は総合が前月比0.9%増、自動車を除いたコアが0.4%増となる見通しです。発表された数字が予想以上となれば、米GDPの7割を占める個人消費の改善から、米経済の回復期待が強まり、株高・ドル安・円安となると予想されます。

 一方で、米景気に再び下振れリスクが強まっていることも事実です。10月の米雇用統計では、失業率が10.2%と1983年4月以来の水準に達しました。失業率の増加は、消費の元手となる所得を減少させ、個人消費を圧迫します。9月の消費者信用残高は前月比で148億ドル減少し、統計開始(1943年)以来最長となる8カ月連続マイナスとなりました。これは、米国の消費者が借り入れを削減し、支出に消極的になっていることを示しています。小売売上高が予想を下回る内容となれば、景気の下振れ不安が強まり、リスク回避の株安・ドル高・円高となる可能性があるでしょう。

 ではここで米小売売上高とNYダウの前年比の関係(小売売上高を1ヶ月先行)をみてみましょう。6年間のデータでの相関係数は0.6です。今回発表される小売売上高が予想通りであれば、前年比の数字(1.9%減)が前回(5.5%減)を上回ることから、NYダウも上昇基調を維持するとみられます。ただ、回帰分析から判断すると、小売売上の実績に対してややNYダウが割高の水準であるといえるため、株価の上値は限定的となる可能性もあるでしょう。





2009年11月16日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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