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外為マーケットコラム

資産バブルとその手仕舞いを警戒

 11月第4週の為替市場では、米公開市場委員会(FOMC)議事録での今後の米金融政策方針についての議論のほか、住宅関連の経済指標や第3四半期GDPの改定値、また消費者信頼感指数や個人消費支出など、米個人消費に関する指標が注目されます。米国の感謝祭や月末に向けたポジション調整の動きには注意が必要でしょう。

【資産バブルの可能性】
 金価格が史上最高値を更新し続けています。ただ、これは宝飾品や産業に用いる金の実需の増加ではありません。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を過去最低水準にとどめているなか、ドル安が進行していることが背景にあり、金はドルの代替資産として買われているのが実情です。また、世界的な景気回復基調が続いていることを背景に、株式市場の上昇が続いており、原油や穀物などの他の商品相場も需要の回復期待から上昇しています。

 FRBは今後も長期間に渡って政策金利を低水準に維持すると表明していることから、市場では低金利のドルを売って他の高利回りが期待できる商品に投資するドルキャリートレードがさらに加速する可能性があるでしょう。今後、ドル安を背景にした資産価格の上昇、資産バブルとなる可能性があります。

【ポジション調整の動きを警戒】
 ただ、バブルには崩壊がつきものです。実需をともなわない相場はやがて崩壊します。この相場がドル安を背景とした資産バブルであることから、その状況が変化するのは、米金利が上昇したときでしょう。当面は政策金利の引き上げはないとみられますが、懸念されるのは、今後さらに拡大するとみられる米国債の需給懸念で債券売りが進み、米金利が上昇することです。

 また、直近では11月第4木曜日の26日は米国の感謝祭であり、11月末は一部の米系金融機関の会計年度末、ファンドの決算時期でもあることから、持ち高調整の動きが強まりやすい時期です。最近では、各国要人が相次いでドル安修正をうながすような発言をしていることにも注意が必要でしょう。

 米国の低金利の長期化、財政赤字の拡大、貿易収支の不均衡是正の動きから、長期トレンドとしてのドル安傾向は変わりません。ただ、目先は上記理由を背景に、ドル売りポジションの手仕舞い(ドルの買戻し)が継続する可能性があります。また、株式市場が下落すれば、円高リスクも高まるでしょう。

 11月16日までの週のシカゴIMM通貨先物の取組状況では、大口投機家によるユーロや豪ドルに対してのドルの買い戻しが続いていました。今後ドルキャリートレードが本格的に再開したと判断するには、これらのリスク資産に対するドル売りポジションの積み上げが再開されることを確認すべきだと思われます。



2009年11月24日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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