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外為マーケットコラム

ドル・円は短期的に反発の兆し

 今週の為替市場では、先日のドバイショックが株式市場に与える影響の継続性や、米ISM景況感指数や雇用統計などの米経済指標を受けた株式、債券市場の反応が注目されます。また、4日の米雇用統計を控え、オバマ米大統領は3日に「雇用サミット」を開催する予定です。この中での雇用対策に注目が集まるでしょう。

【介入への警戒】
 16日のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長によるドル安警戒発言をきっかけに、主要通貨に対するドルの買戻しが続いていましたが、24日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録では一転して「最近のドル安は秩序立った動き」とされ、FRBがドル安容認の見解を表明したことを受けて、ドル売りが再開する展開となりました。ドル・円は、80円台後半で藤井裕久財務相や野田財務副大臣が為替介入を考えていないことを示唆すると円高が一段と進行し、ドバイショックでリスク回避の動きが強まると一時1ドル=84円台まで急落しました。

 ただ、ここまでの短期的な変動となると、政府によるドル買い/円売り介入への思惑が強まります。実際、藤井財務相は、「今の動きは異常であり、適切な対応をとることもありうる」と、監視姿勢を強め、 政府は2009年度第二次補正予算案に、急激な円高や株価下落に対応した経済対策を盛り込むことを決定しました。これらを受けてドル・円は急速に値を戻しています。 

 また、年度末の12月を控え、ファンドはこの時期に大きなポジションをとることは控えます。一方向に相場が動けば、利益確定の動きが強まるでしょう。また、ここからは相場参加者も減ってくることから、短期的な動きが主流になると思われ、ニュースなどに過剰に反応することが多くなると思われます。レンジ内での乱高下がある可能性があり、相場に振り回されないよう注意が必要でしょう。

【米金利に注目】
 現在の慢性的なドル安の根本的な要因となっているのは、米国の低金利です。このことから、短期的なドルの買戻しはあっても、このドル売りの流れを止めるには、米国金利が上昇する以外はないと考えられます。米当局も実際は大規模な貿易不均衡の是正のため、緩やかなドル下落を望んでいるのが実情です。

 また、現在も短期金融市場での日米金利差の逆転が継続しており、ドル安・円高が一段と進みやすい状況に置かれていることには変わりがありません。今後の米国での重要イベントを受けて、米金利が上昇に転じるかどうかが、ドル売り/円買いの継続性を見定める上で重要となるでしょう。米金利が上昇すれば、ドル・円は買い戻される展開が予想される一方、米経済指標を受けて米金利が一段と低下すれば、ドル売りはさらに加速するでしょう。

【21日線乖離率からはドル・円は反発の兆し?】
 27日の急落で、ドル・円の21日移動平均線からの乖離率は、一時約マイナス5%まで拡大し、昨年12月以来の水準まで低下しました。ただ、その後は急速に値を戻し、27日のNY終値ではマイナス3%程度にとどまりました。

 ドル・円の日足チャートを見てみると、3月以降、21日移動平均線からの乖離率がマイナス3%水準に達すると、一転して反発に転じるという動きを続けていることが見てとれます。そしてその後は、乖離率がプラス3%、もしくはプラスマイナス0%(=21日移動平均線水準)まで値を戻していることが分かります。

 今回もNY終値ベースで乖離率がマイナス3%程度にとどまり、反発の兆しを見せていることから、今後ドル・円は少なくとも21日移動平均線水準まで反発すると予想されます。現在の21日移動平均線は89.13円近辺に位置していますが、今後21日移動平均線は下がってくることや、10月27日の高値からの半値戻しが88.50円近辺であることから、88円台半ばまで値を戻すことが考えられるでしょう。

 また、現在の位置での21日移動平均線からの乖離率プラス3%は91.80円であることから、92円水準まで上昇余地があることになります。ドル・円相場は、5年連続で感謝祭後から12月上旬の間でトレンドが転換しています。年末を控えて相場が薄くなる中、米国の一連のイベントを受けてドル・円が思わぬ反発をする可能性もあるでしょう。

 一方で、昨年12月17日の急落時には、乖離率がマイナス6%超、昨年10月24日にはマイナス8%超まで拡大しました。これを今回に当てはめると、ドル・円はそれぞれ83.40円、82円近辺まで円高が進むことになります。ドバイショックの余波が継続し、信用不安が再燃すれば、こちらのシナリオが想定されます。



2009年11月30日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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