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外為マーケットコラム

FOMC声明や欧州の信用不安の行方に注目

 今週の為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を受けた米金利の反応や、欧州圏での信用不安の継続性とユーロ・ドルの動向に注目です。

【ドル・円はFOMC声明を受けた米金利動向に注目】
 4日に発表された米雇用統計が予想以上の好結果となったことで、市場では米政策金利の引き上げ時期が早まるとの観測が広がりました。そしてこれを受けて米金利が上昇し、ドル・円は、米金利の上昇に伴って一時1ドル=90.77円と11月6日以来の高値まで急伸しました。

 しかし、その後のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演で状況は一転します。議長は「政策金利を長期間、異例の低水準に据え置くことをFRBとして引き続き確約している」と表明し、金利の据え置きを強調。これを受けて米金利は再び低下し、ドル・円は87.37円まで値を削る展開となりました。

 週末には、米11月の小売売上高や12月ミシガン大消費者景況感指数が予想を上回ったことで、米金利は再び上昇し、ドル・円は90円台手前まで上昇しました。

 この動きを見ても、ドル・円は米金利の動向に影響を受けやすいことが分かります。そして今週もドル・円相場は米金利の動向に左右される展開が続くと思われ、その意味でも15日に発表されるFOMC声明を受けての米金利の動きに注目が集まるでしょう。

【FOMC声明では金利の据え置きを再び強調か】
 注目のFOMC声明ですが、バーナンキ議長は先日の講演で、「インフレは現在の水準からさらに低下する可能性がある」との見解を示しています。このことから、FOMC声明でも議長は今後のインフレ圧力の一段の低下を示し、政策金利を長期にわたって据え置くことを再度強調する可能性があるでしょう。

 そして据え置きを協調すれば、米金利には再び下押し圧力がかかるでしょう。FOMC声明を受けて米金利が一段と低下すれば、ドル・円は再び下値試しとなることが予想されます。ドル・円は11月27日からの上昇の半値押し水準の87.80円近辺を割り込んでくれば、再び11月27日の安値84.83円を狙った展開となる可能性があるでしょう。

【急速な下落には警戒】
 ただ、これからの急速な下落となった場合、警戒が必要です。ドル・円が急落すれば、介入観測が強まることや、年末に向けたポジション調整の動きから、急反発する可能性があるでしょう。クリスマス休暇を控えた為替市場は商いが薄くなるため、為替ディーラーは短期取引をメインとすると思われます。

 また、ギリシャの格下げなど欧州圏での信用不安を背景に、ユーロ売り/ドル買いの動きが継続しており、これが主要通貨に対するドルの買い戻しを誘う可能性があります。今後の米国経済指標も、雇用情勢の改善を背景に上振れる可能性もあるでしょう。

 短期金融市場での日米金利差逆転(日本の金利が米国金利を上回る)が現在も続いており、ドル・円は売られやすい状況にあることは変わりがありません。ただ、その金利差も現在は縮小傾向にあります。米経済指標の好転などを背景に今後一段と金利差が縮小し、再び米国金利が日本の金利を上回れば、ドル・円の下落相場も転換するでしょう。

 ドル・円は再び90円を回復してくれば、4日の高値90.77円が試されるでしょう。そして4日の高値を上抜ければ、11月4日の高値91.32円や、10月27日の高値92.32円まで上値を伸ばす可能性が出てくると思います。

【前回のFOMCとの値動きの比較】
 以下の図は前回のFOMC時のドル・円の動きと今回のドル・円相場の動きを比較したものです。FRBは今年の1月以降、政策金利を0-0.25%に据え置いていますが、この間のFOMC開催時のドル・円週足は7回中、5回が陰線で、陰線の確率は71%となっています。

 よって今回もFOMC声明で長期間の金利据え置きが示唆されれば、ドル・円は売られる可能性が高いと思われます。そして前回と同様の値動きとなれば、ドル・円はFOMCまでは堅調に推移し、FOMC声明の発表後に売られる展開が予想されます。



2009年12月14日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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