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外為マーケットコラム

リスク回避の動きは続くか

 今週は、オバマ米大統領が打ち出した金融規制案、ギリシャの信用不安、中国の金融引き締め観測を背景に強まっているリスク回避の動きが続くかどうかが焦点となるでしょう。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)での今後の金融政策への見解が注目され、これを受けて米金利、米株式市場がどう動くかに焦点が集まります。

【リスク離れが進むか】
 先週オバマ米大統領が打ち出した金融規制強化策が、市場に動揺を与えています。その内容は、銀行によるヘッジファンドへの出資禁止や、自己資金での取引制限など、これまでの米金融業界の方針を大きく転換させるものです。

 そしてこれを受けて金融市場は混乱を呈し、NYダウは連日で200ドル超の下落、原油・金先物相場も急落、為替市場ではリスク回避の円買いが進み、ドル・円は一時1ドル=89円台まで下落しました。

 リーマンショックやドバイショックでみられたように、金融システムへの不安は相場に大きな影響を与えます。そして、今後も市場のリスク回避姿勢が強まれば、株安・商品安・円高が進む展開が予想されます。

 一方で、オバマ米大統領の金融政策は、まだどの程度が実現化するかは不透明な状況です。米金融機関からの反発は強く、世界経済への悪影響も指摘されています。また、米国企業の決算発表は総じて堅調な内容となっており、米国では緩やかながらも、景気回復基調が続いていることは事実です。

 今回のFOMCでは、引き続き当面の低金利の維持を示唆すると思われます。そして低金利の継続を受けて、再びリスク資産への買い意欲が強まり、株価が再び上昇に転じれば、円高の動きは抑えられるでしょう。

【ドル・円の上値は引き続き限定される見通し】
 ただ、ドル・円に関しては、引き続き上値は限定的となると思われます。なぜなら、FOMCで引き続き低金利の維持を示唆すれば、米金利は一段と低下することが予想され、これはドル売り圧力となります。また、逆にFOMCで出口戦略を示唆し、早期利上げ観測が強まったとしても、金利の上昇で経済成長が頓挫するとの懸念から、株価が下落する可能性があるからです。株安はリスク回避の円高要因となります。

 ドル・円は引き続き上値の重い展開が予想され、ドル・円の日足チャートで一目均衡表の雲のねじれが位置し、過去10年間の月間値幅から推定した安値である88.50円程度までは円高が進む可能性があるでしょう。

 ドル・円が上値を拡大し、円キャリー取引が再開されるには、世界的な景気回復が鮮明となり、株高と米金利上昇が連動することが必要でしょう。そして今後そのような兆候がみられれば、円安が加速する展開となると予想されます。

【VIX指数に注目】
 市場のリスク姿勢を見る上で重要視されているものに、投資家不安心理を示すとされるVIX指数があります。この指数は、米S&P500を対象とするオプション取引の値動きを元に算出されます。VIX指数は1月に入り、通常時の数値とされる10〜20の範囲内での推移が続いていましたが、22日には27.31まで上昇しています。この指数の上昇は、市場の変動幅予想が高まっていることを示しており、悲観的とされる30を超えてくると、株安・円高が一段と進むことになる可能性があるため、注意が必要でしょう。



2010年1月25日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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