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外為マーケットコラム

不確定要素が払拭できるか

 今週は、財政不安が払拭されない南欧諸国や、米景気の先行き不透明感、米中の金融政策などの不安定要素が、引き続きリスク回避の株安・円高圧力につながる可能性があるでしょう。一方、これらの不確定要素が払拭されれば、株高・円安基調が強まることが予想されます。15日は米国がプレジデンツ・デーで休場、中国は旧正月で休場となるため、商いが薄い中での値動きにも注意が必要です。

【ギリシャ財政への不安が払拭できるか】
 財政問題でゆれるギリシャについて、注目されていた欧州連合(EU)首脳会合では、ギリシャの支援について合意したものの、具体的な支援策の提示には至らなかったことから、市場ではいまだユーロへの不安が払拭できずにいます。15日のユーロ圏財務相会合、16日のEU財務相理事会でも、具体策については協議されない見通しとなっており、このことが市場の不安心理をさらに高めれば、ユーロが一段安となる可能性があるでしょう。前週発表されたユーロ圏の第4四半期GDP伸び率が鈍化したことも、ユーロ圏への先行き不透明感につながっています。

 ただ、IMM通貨先物市場での大口投機家の建玉を見ると、ユーロの売り持ち高はすでに昨年のリーマンショック時を超えています。問題収束にはかなりの時間がかかるとみられますが、ギリシャを支援するとの合意がなされたのは一歩前進であり、まだ危機と呼ばれるような事態には発展していません。よって、これらのイベントが通過し、過度の不安が後退すれば、ユーロ売りポジションのショートカバーが入り、ユーロは短期的に急反発する可能性もあるでしょう。

【米経済への先行き不安を払拭できるか】
 1月米雇用統計では、製造業部門の雇用者数が2007年11月以来の増加に転じ、1月の米ISM製造業景況感指数が2004年8月以来の高水準となったことに表れているように、米製造業の回復基調は鮮明になってきています。今後、この製造業部門の好調が牽引役となり、米国が経済の好循環(米企業の好決算→労働市場の回復→個人消費の回復→企業売上の増加)に入れば、米景気の持続的な回復基調が期待されます。今週発表される2月NY連銀製造業景気指数や鉱工業生産などの製造業部門の指標が好結果となれば、これを材料視した株高・円安となるでしょう。

 一方、米国の住宅市場への不安はいまだ払拭できない状態です。12月の新築住宅販売件数と中古住宅販売件数、さらに11月のS&P/ケースシラー住宅総合指数がともに市場予想を下回り、雇用統計でも建設部門は7.5万人減の大幅減少となりました。いままで住宅市場を支えてきた住宅ローン担保証券(MBS)購入プログラムは3月末で終了、初回住宅購入者向け税控除措置も4月末で終了する予定となっており、今後住宅市場が自律的に回復できるかは不透明です。今週発表される1月の米住宅着工件数や、建設許可件数などの住宅指標にも注目が集まり、指標を受けて再び住宅市場への不安が強まれば、株安・円高となる可能性があるでしょう。

【米中の金融政策への警戒】
 中国人民銀行は12日、25日付けで預金準備率を0.5%引き上げると発表しました。中国は先月にも預金準備率を引き上げたばかりで、これほど早く2度目の引き上げが実施されるとは、予想されていませんでした。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長も、公定歩合の小幅な引き上げの可能性に言及し、出口戦略(緩和的な金融政策を通常の政策に戻すこと)に向けた意向を示しています。

 市場ではこれらの金融引き締め策への移行が景気回復のペースを鈍化させるとの見方が強まっています。今週発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でも今後の出口戦略への移行が強調されていれば、株安につながる可能性があるでしょう。そして為替市場ではリスク回避の円高と、米金利上昇観測からのドル高が予想されます。

【ドル・円は再び下落に転じるか】
 ドル・円は1月8日を起点とする下降トレンドラインとそのチャンネルラインに沿って下落しています。12日の高値はちょうどこの下落トレンドライン上の点となりました。よって、今後再び下落に転じ、下降チャンネルに沿った下落相場を続けるのか、それともこの下落チャンネルを突破し、上値を伸ばすのかに注目が集まります。

 一目均衡表の雲の下限(89.30円近辺)を下回ってくれば、再び下落チャンネルに沿って下落する可能性が高く、下値ターゲットとなるのは4日の安値88.56円や節目の88円、さらに昨年12月9日の安値87.37円や1月8日の高値、1月27日の安値、2月3日の高値の3点を結んだ波動のN計算値である86.65円となるでしょう。

 一方、下降チャンネルを突破してくれば、下落トレンドが終了する可能性があるでしょう。基準線の90.60円近辺を超えてくれば、雲の上限91.54円や1月14日高値92.05円、さらに8日の高値1ドル=93.77円まで上値を伸ばす可能性があります。



2010年2月15日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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