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外為マーケットコラム

日米金融政策に注目

 今週の為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融決定会合に注目です。また、インフレ懸念を背景に追加の金融引き締めへの警戒が強まっている中国の動向や、豪準備銀行(RBA)議事録、英中銀(BOE)議事録の公表も予定されていることから、各国の今後の金融政策に市場の関心が集まるでしょう。最近の米経済指標に軟化傾向が見られる中、今回発表される米製造業や住宅関連、インフレの指標にも注目です。

【各国金融政策に注目】
 世界経済が安定化に向かう中、各国がその経済状況に応じ、異例の金融緩和を終了する出口戦略に移っています。豪州は中国需要の恩恵を受けた経済の堅調さから、先進国でいち早く利上げに踏み込み、豪州の通貨である豪ドルは現在も堅調に推移しています。一方、今後さらなる追加の金融緩和策への思惑が強まっている日本の円や英国のポンドは主要通貨に対して弱含む展開が続いています。

 このように、これからは現在の経済情勢や将来の経済成長を背景とした今後の金融政策の方向性が各国通貨の強弱を決定すると考えられます。

【日米金融政策を受けた日米金利差に注目】
 その中で現在、米国と日本の金融政策が注目されています。米国で16日に開かれるFOMCでは、その声明文の文言が変えられる可能性が指摘されています。仮にいままでの声明文で象徴的に用いられていた「異例に低い金利を長期間維持する」という文言を変更すれば、米国の金融引き締め策への移行が市場でより意識されるでしょう。そして為替市場では、米金利の上昇期待からドルが買われる展開となるでしょう。前回1月のFOMCでは、ホーニグ米カンザスシティー地区連銀総裁が、その文言を削除するよう求めたことが明らかとなったことで、ドル買いが強まる相場になりました。

 また、日本の金融政策についても、16-17日に開催される日銀金融決定会合に注目が集まっています。日本経済新聞が「日銀は追加金融緩和策に傾斜している」との報道をしたことをきっかけに、日本がさらなる金融緩和を実施するとの思惑が強まっており、珍しく世界の市場から関心を集めています。

 日銀はデフレへの懸念を強めているほか、この報道がなされたことによって市場での追加緩和策への期待が強まっていることから、追加緩和策を実施せざるを得ないでしょう。そしてそれを受けて日銀の金融緩和の長期化観測が市場で一段と強まる展開となれば、為替市場では日本の金利の低下から、円安傾向が強まると思われます。昨年12月の日銀による追加緩和策の発表で、為替市場ではその後大きく円安方向へ動きました。

 このFOMCと日銀金融決定会合という2つのイベントを受けて日米金融政策の方向性の違いが意識され、日米金利差が拡大していくようなら、今後はドル高・円安基調が強まっていくと考えられます。

【今回のドル高・円安は一時的か】
 しかし一方で、米国では、以前バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が挙げた、低レベルでの資源活用(労働市場の低迷)、インフレ抑制トレンド、安定したインフレ期待という金利据え置きの3条件を依然として満たしており、利上げ体制に移る状況ではありません。よって、今回もFOMCで、バーナンキFRB議長が低金利の維持を強調すれば、ドルは売られる展開となるでしょう。

 また、発表予定の米製造業指数や住宅指標、インフレ指標が弱含めば、低金利の長期化が再度認識されることになり、さらにドル売りが強まる可能性もあります。現在IMM通貨先物市場では、大口投機家のドル買いポジションが大きく積みあがっています。このことからも、FOMCをきっかけにドル買いポジションが巻き戻されれば、ドルが大きく下落する可能性もあると言えるでしょう。

 さらに、日銀内では4月の日銀短観の内容を見極めるべきだとの慎重論も残り、4月の会合まで決定は持ち越さるとの見方もあります。今回の金融緩和が見送られれば、円が買い戻される展開となるでしょう。また、日銀の追加緩和観測は、あくまで投機筋の円売り材料であり、実需のフローは影響されないことから、追加緩和での円売りは一時的とする見方もあります。3月の年度末決算を控えた国内の事業法人や機関投資家による海外資産の自国資金回帰(リパトリ)の動きもドル・円相場の上値を抑えると思われます。

【ドル・円は下降トレンドラインと雲に注目】
 ドル・円は雲を突破してきたことから、一目均衡表が三役好転し、買いが優勢の状況です。13日には、昨年4月6日の高値からの下落の38.2%戻しの91.18円水準まで上昇しました。よってここからは、昨年4月6日の高値を起点とする下降トレンドラインが位置する91円台半ばに注目です。

 この下落トレンドラインを超えてくれば、ドル・円の下落トレンドが終了する可能性があり、今後は2月19日の高値92.15円や、前述の半値戻し93.15円を目指すと思われます。

 一方、再び雲の内部に沈み、基準線の90.15円を割り込んでくれば、転換線の89.48円や雲の下限89.30円まで下げ幅を拡大する可能性があるでしょう。そして再度雲を割り込めば、4日の安値88.14円を試す展開となるでしょう。



2010年3月15日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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