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外為マーケットコラム

3月末のドル・円相場を予想すると

 今週は、米経済指標を受けての米金利の反応や、24日の米下院歳入委員会による中国の為替政策についての公聴会、さらに25-26日に開かれるEU首脳会議が注目材料となるでしょう。

【日米2年債利回りの拡大傾向は続くか】
 ドル・円相場は、米公開市場委員会(FOMC)やギリシャ懸念を背景としたリスク回避の動きで売られる場面はあったものの、90円を割り込む水準ではすぐに買い戻され、90円台をおおむねキープしています。このようなドル・円の底堅さの背景には、3月4日の短期金融市場で、3カ月物のドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が円LIBORを約半年ぶりに上回ったことが背景にあると思われます。

 また、ドル・円を見る上で重要視される日米2年債の利回り差も、16日のFOMCで、「異例に低い金利を長期間維持する」という文言が維持されたことを受けて、縮小したものの(ドル安・円高要因)、その後は株高や米経済指標の好結果を背景に再び拡大しています(ドル高・円安要因)。

 このように、ドル・円相場は今後も日米金利差の動向に左右されると考えられ、現在の日米金利差拡大傾向が続けば、ドル・円はこの先も堅調な推移を続けると考えられます。

 金融政策の面で見ても、米国ではすでに公定歩合を0.5%から0.75%に引き上げるなど、出口戦略(金融政策の正常化)に一歩を踏み出しています。FOMCでは、ホーニグ・カンザスシティー地区連銀総裁が前回に引き続き反対票を投じ、金利を長期間異例の低水準に維持するとの確約はもはや正当化されないとの見方を示しました。

 一方、日銀においては、追加緩和策を発表し、白川総裁は「緩和姿勢を改めて明確にする」と繰り返し、超低金利政策の継続を示唆しました。このように金融政策の方向性に違いが見え始めてきていることも、日米金利に影響しているのでしょう。この方向性が今後さらに明確となってくれば、ドル・円は上昇すると思われます。

【米経済指標次第か】
 ただ、日本の2年債金利は、昨年12月の新型オペ導入ですでに短期金利は下がっており、一段の低下余地は乏しい状況です。実際、日銀の追加金融緩和を受けてもわずかにしか低下しませんでした。

 このことから、日米金利差を考える上では米金利がどう動くかが重要で、それを左右する米国の経済指標に注目すべきだと言えるでしょう。

 現在、米経済指標はおおむね堅調さを維持しています。米製造業の景気回復は明確であり、米製造業を見る上で最重要視されるISM製造業景況感指数は、好不況の分かれ目となる50を7カ月連続で上回り、3月のフィラデルフィア連銀製造業業況指数も前月から上昇し、市場予想も上回りました。

 また、懸念されている米個人消費も、前週末に発表された2月小売売上高では、大雪の影響で減少するとみられていたものが、実際は予想外のプラスとなり、米景気回復への期待が高まる内容となりました。

 今後も米経済指標が堅調な結果となり、米景気の回復基調が裏付けられる内容となれば、米金利は上昇し、日米金利差の拡大を背景にドル・円は堅調な展開となるでしょう。また、4月に入り、日本の輸出企業や機関投資家による3月期末要因に絡んだドル売り/円買い需要が後退すれば、ドル・円の上昇を後押しする可能性があります。

 FOMC声明文では、労働市場について前回の「悪化が鈍化している」から「安定しつつある」に判断を前進させ、3月のフィラデルフィア連銀製造業業況指数では、雇用項目が2007年8月以来の高水準となりました。4月初旬に発表される米雇用統計には大きな注目が集まるでしょう。

【ギリシャ問題と米住宅市場の低迷は引き続き懸念材料、3月中は乱高下の可能性】
 ただ、ギリシャ問題をはじめ、各国の財政赤字や中国の金融引き締めの警戒など、いまだリスク回避の動きにつながる要素は豊富にあります。市場では現在、25-26日に開かれるEU首脳会議でのギリシャ支援策の行方が注目されています。

 また、米国においても、住宅市場の弱含みは引き続き懸念材料です。今週発表される1月の米住宅価格指数や2月の中古住宅販売件数が、米景気の回復期待を後退される内容となれば、米金利低下とともに、ドル・円は売られるでしょう。

 また、24日には米下院歳入委員会による中国の為替政策についての公聴会があることからも、人民元の切り上げ観測が円高への思惑につながる可能性もあります。

 3月末にかけては、年度末の需給要因も相場を動かす要因となることから、さまざまなニュースや実需筋の動きから、短期的な動きが強まり、乱高下する可能性があるでしょう。

 ではここで過去10年の春分の日以降のドル・円相場から、今年の相場を予想してみましょう。以下の図は過去10年間の値動きの平均を今年に当てはめたものです。これから判断すると、今後、ドル・円相場は上昇すると予想されます。



2010年3月23日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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