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外為マーケットコラム

ドル高・円安基調が強まるか

【ドル高・円安基調が強まるか】
 前週は、米証券取引委員会(SEC)の米金融大手・ゴールドマン・サックスへの訴追やギリシャの財政懸念でリスク回避の動きが強まる場面もありましたが、米企業は総じて予想を上回る好決算を発表し、3月の米景気先行指数が10カ月ぶりの大幅な伸びを示したことを受けて、リスク選好の動きが戻りました。

 米景気先行指数とは、労働、企業業績、株価、金利など10種類の経済指標を景気に先行して動くように指数化した経済指標で、これが大幅な伸びを示したということは、今後数カ月間、米国の景気回復が続くことを示唆しています。週末に発表された3月の新築1戸建て住宅販売も、前月比36.9%増と伸び率が1963年4月以来の大幅増となり、8カ月ぶりの水準を回復しました。

 このように、米国の実体経済は確実に回復基調にあると言えるでしょう。そして株式市場や為替市場では現在、この米国の経済ファンダメンタルズ面での強さを反映した米株高・ドル高となっています。今後も米経済指標や米企業決算が相次いで発表される予定となっていますが、これらが好調な数字を維持する限り、株高・ドル高が継続するでしょう。米国債利回りも上昇基調を維持しており、金利差に影響を受けやすいドル・円には上昇圧力がかかりやすい状況となっています。

 ドル・円相場は、現在5日の高値1ドル=94.79円に挑戦する展開です。この97.79円はちょうど2008年8月15日からの下落の38.2%戻し(94.69円)とほぼ同水準です。よってこの5日の高値を超えてくれば、2008年8月15日からの下落の半値戻しであたる97.74円まで上値を拡大する可能性があるでしょう。この97.74円も、昨年8月7日の高値97.79円にも近い値なのです。

【FOMCや米重要経済指標に注目】
 今週は注目材料が目白押しです。27、28日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、その声明文で「長期の低金利維持」の文言に変更があるかどうかが注目されます。変更されない確率が高いのですが、万が一変更があった場合は(長期間という文言が削除されるなど)ドルは急伸するでしょう。前週も「複数のFOMCメンバーが米連邦準備制度理事会(FRB)の資産売却(=出口戦略)を支持している」との報道が伝わると、ドル・円が急伸する場面がありました。市場は米国の出口戦略(金融引き締め)への移行時期に敏感になっており、今後も米経済指標の好調さから米国の利上げ時期の予想が早まれば、ドル高傾向が強まると思われます。

 一方、米国の失業率は9.7%と高水準を維持しており、いまだ雇用環境は厳しい状況です。前回のFOMC声明文でも、雇用情勢の安定化を認めたものの、企業の新規雇用に対する姿勢は依然として慎重で、これが最大の景気リスクになっていることを挙げていました。今回のFOMC声明文も、市場の期待する出口戦略への移行を示唆するものでなく、ハト派な内容となれば、ドル・円の上昇も一服する可能性があるでしょう。

 上昇が一服した場合、ドル・円の下値支持線となるのは、4月中旬に上値抵抗となった93.70円近辺です。この水準を割り込めば、転換線の93円近辺や基準線の92.31円、19日の安値91.60円が下値目安となるでしょう。

 経済指標では27日の2月S&P/ケース・シラー住宅価格指数では、前週の新築住宅販売件数に続き、住宅市場の回復基調を示唆する内容となるかどうか、(予想では前年比 でプラスに転じるとみられています)、29日の米新規失業保険申請数では申請数が減少するかどうか、30日の第1四半期米国内総生産(GDP)では、前期比3.4%増という予想に対する数字が注目されるでしょう。特に個人消費では3.1%増と大幅に増加する見通しとなっていることから、その数字に注目が集まると思われます。

 米景気の今後の鍵を握っているのは個人消費の動向です。個人消費が堅調さを維持すれば、個人消費増加→企業の好決算→雇用の改善→個人消費増加という景気の好循環に入り、米景気回復の長期化が期待できるでしょう。

 以下の図は景気先行指数とNYダウのグラフです。たしかに2002年9月の株のボトムや2007年10月の株のトップに景気先行指数は先行していることが分かります。よって、景気先行指数が上昇している現在、株価も当面は、堅調推移を続けると思われます。

 ただ、経済指標などに市場が反応するスピードが早くなったためか、今回の株のボトムと景気先行指数のボトムはほぼ一致しています。よって今後の株高のピークも景気先行指数のピークと一致する可能性があり、景気先行指数が低下基調に転換した場合、株の下落局面も近い可能性もあるため、注意が必要となるでしょう。



2010年4月26日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

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