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外為マーケットコラム

ドル・円は95円の節目を再び試すか

 5月第1週は、ユーロ圏の債務問題が懸念されました。欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は2日にギリシャに対して今後3年間で1100億ユーロの融資を実施することで合意しましたが、実施するのに必要なEU加盟各国議会の承認が難航するとの観測があったほか、ギリシャの債務問題が他のユーロ圏諸国に広がるリスクも指摘されました。

 こうしたなか、ユーロ・ドルは下値探りを継続。1ユーロ=1.30ドルの大節を割り込み、6日には1.25ドル台前半に一時沈み、昨年3月5日以来の安値を付けました。  このように、ドルは、対ユーロでは一段高となりましたが、対円では4日と5日に2営業日続けて1ドル=95円の節目にあと一歩の水準で上値を抑えられ、6日には米株式市場の大幅安を受けてのリスク回避の円買いで3月4日以来の88円台前半に一時急落しました。

【ユーロ圏の債務問題への懸念後退か】
 このところ強まっていたユーロ圏の債務問題に対する懸念ですが、後退する可能性が出てきています。EUのユーロ圏各国が7日にギリシャ支援で800億ユーロを拠出することを承認、IMFも9日に300億ユーロのギリシャ支援を承認しています。ギリシャは即時に200億ユーロの資金が利用できることになっており、これで19日に迎える85億ユーロの国債償還も無事乗り切れそうです。また、EUは10日、ユーロ導入国が財政危機に陥った場合に総額で最大7500億ユーロ規模の緊急融資するユーロ圏支援基金を創設することを発表し、ギリシャから債務危機が拡大することを防ぐ措置も打ち出しています。

【リスク選好の動きが強まるか】
 NYダウが6日に前営業日比で一時1,000ドル以上下落し、ザラバベースで過去最大の下げ幅を記録するなど、最近ギリシャに端を発したユーロ圏の債務問題から世界的に株式市場が大きく崩れていました。しかし、前述したようにユーロ圏の債務問題に一区切りついた感があることから、世界の株式市場も落ち着きを取り戻し、出直ることになるでしょう。

 このように株式市場が戻せば、為替市場では、株高からリスク選好の思惑で円が売られそうです。ドル・円は、4日と5日に突破できなかった95円の節目を再び試す可能性があります。95円の節目をはっきりと上抜くようであれば、昨年8月7・10日の高値がある97円台後半が上値の目標になりそうです。



2010年5月10日

(オーバルネクスト/二見 朱里)

株式会社オーバルネクスト 二見 朱里

担当
農産物、為替
信条
日々国際金融情勢を反映しながら動く為替相場に興味を持ち、現在は、得意な数学的なアプローチを中心に、さまざまな角度から分析を試みています。このコラムでは毎週の為替相場を予想する上で重要なポイントを分かりやすくお伝えできるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
経歴
東京大学大学院数理科学研究科卒業後、2007年オーバルネクスト入社、情報企画グループに在籍

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
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