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外為マーケットコラム

リスク回避の動きから円高基調が続く

 5月第3週は、為替や各国の株式市場がユーロ圏での混乱の影響から大荒れの展開となりました。18日にドイツが銀行株の一部、ユーロ圏の国債などを対象に空売り規制を発表したことから、その後の各国の株式市場が急落するなど混乱が広がりました。

 ユーロ・ドルは19日に4年ぶりの安値更新となる1ユーロ=1.2144ドルまで下落。その後、当局による介入観測などもあって、買い戻しが進んで21日には1.26ドル台後半まで上昇しました。ドル・円は欧米市場の混乱の中でリスク回避の動きから円が買われて、20日に一時1ドル=88.97円まで円高が進みましたが、その後はやや落ち着きを見せています。

【ドイツの空売り規制で不透明感台頭】
 18日にドイツが発表した空売り規制が波紋を広げています。現物株の裏づけのない一部の金融株やユーロ圏の国債などの空売りを禁止しました。ドイツが他国と協調せずに単独で、かつ唐突に出した規制だったことから、ドイツ当局の思惑とは逆に欧州各国の足並みの乱れから混乱を拡大させる結果となりました。この混乱が株式や為替市場に引き続き悪影響を与える可能性が高いとみられます。

 なお、当局による介入観測により、ユーロ・ドルは4年ぶりの安値圏からは値を戻しています。19日にユーロがスイスフランに対して急上昇。背景にはスイス国立銀行によるユーロ買い・スイスフラン売りの介入観測が出ており、ユーロ・ドルも欧州当局による介入観測が安値からの戻りにつながっています。

 ただ、欧州の債務危機が解決したわけではなく、ユーロは買い戻しが一巡した後は、再び売られやすい展開となり、1.20ドルへ向けて下落することが予想されます。混乱を収拾するためにユーロ圏の当局による何らかの措置が発表されれば、そこまでは下げずに1.22〜1.30ドル前後でのレンジ相場となりそうです。

【ユーロ圏の混乱で経済指標の影響度が低下】
 市場の注目はユーロ圏の動向に集中しており、米国や欧州の経済指標が好調であっても、影響度が薄れている状況です。米国株も同国の経済指標よりもユーロ圏の動向に振り回されており、しばらくはこの状況が続きそうです。

 欧米市場の混乱が続くようなら、リスク回避の円買いが続くことが見込まれ、ドル・円は一段と円高が進む可能性が高そうです。また、クロス円の売り(円高)がさらに進む可能性も高く、5月6日の87.95円を試す展開となりそうです。ただ、そこからさらに円高が加速しても、介入警戒感などから85円まで円高が進むことはないとみられます。

 なお、もしユーロ圏の混乱が落ち着きを見せ、各国の株式市場が再び堅調な足取りを見せるようなこととなれば、リスク許容度の高まりから、ドル・円は95円へ向けて円安方向へ向かうこととなるでしょう。

【原油との相関高い豪ドル円相場】
 個人投資家に人気の高い豪ドル・円ですが、原油価格との相関関係が非常に高く、連動して動きやすくなっています。チャートは豪ドル・円とニューヨーク原油の価格を上下に並べたものですが、ほとんど同じような動きを見せています。なお、豪ドル・ドルについても原油とは似たような値動きを示しています。

 豪州は資源産出国として知られており、石炭、天然ガス、金、ダイアモンド、ニッケル、鉄鉱石、ボーキサイト(アルミの原料)、ウランなどの産出国として知られています。原油の生産量は少なめですが、豊富な天然資源の生産国であることが、天然資源の代表格である原油相場との連動性が高まっている要因と考えられます。

 最近はギリシャの債務危機に端を発したユーロ圏の金融市場の混乱の広がりで、リスク資産から資金を引き上げる動きが続いていることで、原油価格も70ドル前後まで下落してきました。ユーロ圏の混乱が収まるまでは原油価格も軟調な動きが見込まれ、それと歩調を合わせて豪ドル・円も上値の重い流れが続きそうです。目先は1豪ドル=65〜70円付近が下値のメドとなりそうです。



2010年5月24日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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