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外為マーケットコラム

ドル・円はレンジ相場が続きそう

 7月第4週は、欧州の銀行のストレステスト(健全性審査)への懸念後退などから、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.30ドル乗せまで上昇しました。その後、21日に米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が議会証言で「経済見通しは引き続き異例に不透明」と発言したことなどを受けて下げに転じました。ただ、22日には欧州経済指標の好転や好調な米企業決算を受けて再び上昇に転じるなど、高値圏での高下となっています。

 ドル・円は1ドル=86円台前半から87円台半ばでのもみ合いとなっています。米国株の上昇でリスク回避の円買い優勢となり円高に振れる場面や、その逆の動きもあり、方向感が定まらない状況です。

【ストレステストは波乱なく通過】
 欧州銀行監督者委員会(CEBS)は欧州の銀行のストレステストの結果を23日に発表しました(日本時間の24日の午前1時)。検査した91行中、7行が不合格となりましたが、大方の市場予想の範囲にとどまり、波乱なく通過したと言えます。なお、事前に欧州の金融当局者からは、楽観的なコメントが相次いだこともあり、ストレステストの結果に対する懸念は後退していました。

 ストレステストは、2通りの景気悪化シナリオの下で、中核的自己資本比率(TIER1)を6%に維持するために必要な追加資本を試算するよう求められていました。シナリオの1つは2年間の景気悪化を想定したもので、もう1つのシナリオは、これに加え「追加的なソブリン・ショック」が発生した場合を想定したものとなっていました。

 なお、ストレステストを通過しなかった7行では、不足する資本総額は35億ユーロ(約3,900億円)と伝えられており、公的資金の投入や資本増強を迫られることとなりそうです。市場では、不合格の銀行の数が少なかったことや、不足する資本が過小だとして、テストの厳格性を疑問視する向きもあります。

 ストレステストを波乱なく通過したことで、ユーロ・ドルは堅調な推移が見込まれ、今後は1.27〜1.32ドルのレンジでの推移となりそうです。ただ、今後、テストの厳格性に疑問を呈する声が高まると、ユーロには売り圧力がかかる可能性も出てきそうです。

【ドル・円はレンジ相場が続く見通し】
 ドル・円は7月に入り、一時89円台後半まで上げたものの、90円回復はならず、最近は86〜87円台を中心に推移しています。米国経済の先行き不透明感が圧迫要因となるものの、米企業決算の好調や欧州での金融システム不安の後退から、一方的に円高が進むような状況ではなくなりつつあります。

 このため、ドル・円は欧米の経済指標や株価動向、ストレステストの結果を踏まえつつ、85〜89円前後でのレンジ相場が続く可能性が高いとみられます。

 もし、ストレステストの審査の厳格性に疑問を投げかける声が高まるようなら、ユーロ売りの動きとなり、さらに米経済指標の悪化が続くようなら、リスク回避の動きからドル・円は85円まで円高が進む可能性が出てきそうです。ただ、それ以上の円高は介入警戒感も台頭することで、80円へ向けた一段の円高にはなりにくいでしょう。

【戻りつつあるポンド・円のボラティリティ】
 7月中旬ころまで、各通貨のボラティリティが低下傾向にありました。ここではボラティリティを各通貨の日々の変動幅(高値−安値)と定義します。「相場が動きにくい」「デイトレードで狙える値幅が小さくなった」といった声を耳にすることもあるかと思います。それは、実際に各通貨の1日の値幅が小さくなっていることが原因です。

 ここでは、主要通貨で最も値幅の大きいポンド・円、人気の高い豪ドル・円、そしてドル・円の3通貨の値幅を確認してみましょう。日々の「高値−安値」を過去250日間で平均すると、ポンドは2.24円、豪ドル・円は1.51円、ドル・円は1.00円となっています。

 リーマンショック後の荒れた動きに比べると低下していますが、まずまずの値動きとなります。過去120日間(およそ半年)では、ポンドは2.28円、豪ドル・円は1.65円、ドル・円は0.97円となり、250日間とほぼ同水準です。

 これを過去20日間でみると、ポンド・円は1.87円、豪ドル・円は1.73円、ドル・円は0.83円となっています。豪ドル・円はやや変動幅が大きくなっていますが、ポンド・円とドル・円は縮小しています。変動幅が大きいことで人気のポンド・円のボラティリティが豪ドル・円と同水準まで低下していました。

 ただ、過去10日間で見ると、ポンドは2.21円、豪ドル・円は1.73円、ドル・円は0.83円となり、ポンド・円のボラティリティが上昇傾向にあり、日々の値動きが大きくなりつつあります。

 グラフはこの3通貨の日々の「高値−安値」の20日間の移動平均のグラフです。6月以降、7月中旬までのポンド・円のボラティリティの低下が顕著であることがわかります。ただ、相場は動かない時期が続いた後は大きく動きやすくなる傾向があり、7月中旬以降は徐々に動意付いており、「値動きの大きいポンド・円」が復活しつつあります。



2010年7月26日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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