FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ドル・円はレンジ相場か、円高に振れる可能性も

外為マーケットコラム

ドル・円はレンジ相場か、円高に振れる可能性も

 7月最終週は、欧州銀行監督者委員会(CEBS)より23日に発表された欧州の銀行のストレステスト(健全性審査)の結果に注目が集まりました。不合格の銀行が91行中、7行にとどまったことで、欧州の金融システムへの懸念が後退、さらにユーロ圏の経済指標が良好なことで、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.28〜1.31ドル前後での堅調な推移となりました。

 一方、ドル・円は1ドル=85円台後半〜88円前後でのもみ合いとなりました。欧米株価の上昇でリスク志向の高まりで円安に振れる場面もあれば、米国景気の先行き不透明感で円高に傾く場面もあるなど、狭いレンジ内での推移が続きました。

【ユーロ圏の次の焦点はソブリンリスクか】
 ストレステストを通過しなかった7行では、不足する資本総額は35億ユーロ(約3,900億円)でした。この数字を受けて、テストの厳格性を疑問視する声もありましたが、その後の欧米株の堅調な動きやユーロ・ドルの上昇により、そうした声はかき消されました。

 ストレステストは銀行の健全性を審査するものであり、各国の財政問題とは別の話なので、今後、ソブリンリスク(国家の信用リスク)に再び焦点が当てられる局面もありそうです。その場合、好転していたユーロのセンチメントが再び悪化する可能性も出てきそうです。

 ただ、欧州の経済指標は比較的良好なものが多く、欧州の株価が堅調な推移を見せれば、ユーロ・ドルは1.30ドルを固めて、1.32〜1.35ドルへ向けて一段と上昇することとなるでしょう。

【ドル・円はもみ合いか、円高の可能性も】
 ドル・円は、7月下旬の動きは一時1ドル=88円に乗せたり、86円を割り込む場面もあったものの、おおむね86〜87円台での推移が続きました。目先はこの傾向が続いて、86〜88円を軸としたレンジ相場となりそうです。

 ただ、ドル・円は2000〜2009年の過去10年間のうち8年で、8月は月足が陰線(すなわち円高)となっています。統計上は円高に振れやすく、もし相場が動意付けば、円高方向に振れることとなりそうです。

 また、8月第1週は重要統計の発表が目白押しとなります。2日に米ISM製造業景況指数(7月)、3日に豪準備銀行(RBA)政策金利、米個人所得・個人支出(6月)、4日にADP雇用統計(7月)、米ISM非製造業景況指数(7月)、5日に英中銀(BOE)政策金利、欧州中央銀行(ECB)金利、6日に米雇用統計が発表されます。

 最近の米国の経済指標はさえないものが多く、予想を下回る結果となるような指標が相次ぐようなら、対ドルで円は買われやすくなり、ドル・円は85円割れまで円高に傾く可能性がありそうです。なお、米雇用統計の発表後は、ドル・円は円高に振れやすいことにも注意しておきましょう。

【ドル・円やクロス円は8月に円高に振れやすい】
 グラフをご覧下さい。ドル・円、豪ドル・円、ユーロ・円の3通貨が月別に陽線になりやすい確率を2000〜2009年の10年間にわたって集計してあります。月足が陽線というのは始値より終値が高いということで、陽線確率が大きいと言うことは円安に振れやすいということです。逆に陽線確率が低いということは円高に振れやすいことを示しています。

 8月の陽線確率ですが、上記の3通貨はすべて20.0%となり、過去の統計上は極めて円高に傾きやすい月となっています。3つの通貨すべてで陽線確率が低いことで、ドル・円以外のクロス円でも円高が進みやすい傾向があると言えるでしょう。

 さて、翌月の9月はすべてが60.0%とやや陽線になりやすく、やや円安に振れやすいという傾向があります。ということは、8月に円高局面があれば、ドル・円、豪ドル・円、ユーロ・円は押し目買いのチャンスと言えるかもしれません。



2010年8月2日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

 オーバルネクストは、国内外の先物取引や為替情報に関する各種のニュースやデータを配信、またこれらの情報に伴うシステム開発を行っております。スピードと正確性に富むニュースやデータの配信に加え、オーバルネクスト独自の情報分析を含む各種コンテンツを一般投資家や各種ブローカーの皆様へ幅広く提供しています。
詳しくはこちらをご覧ください

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。