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外為マーケットコラム

ドル・円は一段の円高の可能性も、ただ85円割れは一時的か

 8月第3週は、米国の経済指標の悪化でリスク回避の動きとなったことや、ドイツ連邦銀行のウェーバー総裁が欧州中央銀行(ECB)による金融緩和政策の長期化を示唆したことからドルは対主要通貨で堅調に推移しました。ユーロ・ドルは上値重く、1.27〜1.29ドル前後でのもみ合いレンジから1.26ドル台へ下落しました。

 一方、ドル・円は85〜86円台での推移が中心となりました。米経済指標の悪化により一時的に85円を割り込む場面もみられたものの、当局による介入警戒感もあり、85円を割り込んで円高が進みにくい状況にあります。

【米国景気とユーロ圏の信用リスクのせめぎ合い】
 今後は米国の経済指標の悪化とユーロ圏のソブリン・リスク(国に対する信用リスク)の懸念拡大とのせめぎ合いとなりそうです。米国では弱い経済指標が相次いでいることで、景気の先行き不安が高まりつつあります。一方で、ユーロ圏もソブリン・リスクが払しょくされたわけではなく、ユーロ・ドルはこうした材料を評価しつつの動きとなりそうです。

 17日に実施されたスペインとアイルランドの国債入札は需要が堅調となったことで、市場には安心感が広がりました。ただ、本来、信用度の高いはずの国債の入札がリスクの評価となること自体が異例で、ドイツやフランスなど一部を除いては、国債入札や銀行の経営状況などが事あるごとに蒸し返されて材料視される可能性がありそうです。

 ユーロに対する市場のセンチメントは材料次第でコロコロ変わっており、ユーロ・ドルは上値の重い動きとなりつつ、1.25〜1.29ドル前後での推移が続きそうです。

【ドル・円は一時的に一段の円高の可能性残る】
 85円を割り込むような円高への警戒感から、政府・日銀などの当局者からは円高をけん制する発言が相次ぎました。また、菅総理と白川日銀総裁が23日に会談を行う予定で調整中と報じられたことなども、円高の抑止力になっています。

 弱い米経済指標を背景に16日には米国の10年物金利は2.57%まで低下して、2009年3月20日以来の低水準となりました。経済指標の悪化や米国の景気減速への懸念から米長期金利には一段の低下余地がありそうです。

 米国経済の先行き不透明感から、市場のセンチメントが悪化していることで、目先は米長期金利には一段の低下余地が残されています。その場合、ドル・円は85円を割り込み、82〜83円まで円高が進む可能性もありそうです。

 米10年物長期金利は100日移動平均からのかい離率は-20%以下となり、テクニカル面からはやや下げ過ぎています。このため、米長期金利の低下は近いうちに修正に向かうこととなりそうです。また、日本の当局による介入警戒感などもあり、85円割れの円高は一時的なものにとどまりそうです。

【ユーロ・円とユーロ圏長期金利の関係】
 通貨と金利差には密接な関係があることが多く、ドル・円は米国の10年物の長期金利との連動性が高くなっています。日本の金利も変動しますが、水準が低いため、相対的に変動率が限られます。このため、日本の金利変動を捨象して、米国の金利動向と比べても金利差と比較したものとあまり変わりません。同じような関係がユーロ圏の長期金利とユーロ・円の間でも見て取れます。

 今回はユーロ圏の10年物金利とユーロ・円の関係を見てみましょう。グラフはピンクがユーロ・円(右軸)、青がユーロ圏10年物金利(左軸)を表示しています。金利への反応の度合いが若干異なる時期もありますが、おおむね似たような動きを見せています。

 今後のユーロ圏の金利動向ですが、やはり景気動向や銀行の信用問題、ソブリン・リスク(国に対する信用リスク)などに左右されそうです。欧米市場の景気動向に不透明感が増し、株価も不安定なら、長期金利は一段の低下となり、ユーロ・円はユーロ安・円高に振れそうです。

 ただ、ユーロ圏の長期金利は下げのピッチが速過ぎ、その反動から上昇に転じる可能性も出てきそうです。そうなると、ユーロ・円も上昇に転じることとなるでしょう。



2010年8月23日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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