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外為マーケットコラム

円相場は引き続き84〜85円台でのレンジ相場か

 9月第4週は、21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で追加緩和の用意があると表明したことや、24日のドイツの9月IFO景況指数が良好だったことから、ユーロ買い/ドル売りが続いて、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.35ドル台近辺まで上昇するなど、堅調な流れを続けています。

 一方、ドル・円は米国の追加金融緩和観測などから、84円台前半まで円高が進むなど、円安基調が一服しています。ただ、日銀による介入警戒感は根強く、積極的な円買いにはつながりにくい状況です。

【ユーロ・ドルは堅調な動きか】
 21日のFOMCではフェデラルファンド・レートの誘導目標がゼロ%近辺に据え置かれるなど、金融政策に変更はありませんでした。ただ、景気回復の支援などのために、「必要に応じて追加の緩和措置を実施する用意がある」と表明しています。

 米国の景気動向次第では一段と金利が低下する可能性が高まっており、ドル売りの材料となりました。次回の11月2〜3日のFOMCで追加緩和が実施されるとの見方も浮上しており、米国の長期金利低下が進むようならドルにとっては引き続き圧迫要因となりそうです。

 米国の経済指標はさえないものが多く、これはユーロには支援材料となります。ただ、アイルランドの今年第2四半期の国内総生産(GDP)成長率がマイナス1.2%となり、これがユーロには圧迫要因となる可能性が出てきました。さらに国有化されたアングロ・アイリッシュ銀行の再建のためのコストが不透明で、一部ではアイルランドが債務危機に陥るとの懸念も台頭しています。

 また、ユーロ・ドルは100日間移動平均線とのかい離率が6%を超えてきており、テクニカル面から修正安の局面を迎える可能性も出てきました。ただ、下げても9月10日安値1.2644ドルを割り込むようなことはなく、1.28〜1.30ドル前後で下げ止まり、アイルランド問題を織り込んだ後に再び上昇に転じそうです。そうなれば、ユーロ・ドルは1.35ドルの水準を固めて、その後も堅調に推移することとなるでしょう。

【介入警戒感の牽制効果は続く】
 ドル・円は、15日に実施された円売り介入で大幅に上昇しましたが、20日以降はその反動で上値重く推移しています。米国の追加緩和観測もあり、円は買われやすい地合いにあるものの、日本の金融当局による円売り介入への警戒感は根強く、積極的に円を買い進む動きには乏しくなっています。

 15日の為替介入により、円高に対しての牽制効果が継続しており、83円を割り込むような円高にはなりにくそうです。ただ、米国の金利には低下余地が見込まれ、円安にも進みにくい状況にあります。

 このため、ドル・円は84〜85円台のレンジを中心とするもみ合いが続くこととなりそうです。なお、介入警戒感により、人為的に円高に振れにくくなっている間に米国の経済指標が好転して、景気の先行きに明るい兆しが見えてくれば、米国の追加緩和観測が後退して、ドル・円は円安に向けて動き出す可能性も出てきそうです。

【NY原油と豪ドル・円の関係】
 豪ドルやカナダドルは資源国通貨と呼ばれ、原油や天然資源などとの価格の相関が高いと言われています。豪ドル・米ドルは上昇基調にあり、足踏みを続けるNY原油(WTI原油)との相関がやや落ちています。そこで豪ドル・米ドルではなく、豪ドル・円とNY原油の関係を見てみましょう。

 グラフは豪ドル・円(左軸)とNY原油(右軸)を表示させたものです。片方は円建て、片方はドル建てですが、非常に良く似た動きを見せています。グラフの期間の相関係数は0.75と高くなっています。相関係数とは、-1.0〜1.0の範囲で動き、1.0で完全に同じ動き、-1.0で全く逆の動き(逆相関)、ゼロなら相関なしと判断されます。この数字が1.0に近いほど値動きが似ており、0.7〜0.9なら相関が高いと判断できます。

 豪ドル・円とNY原油は、値動きが若干前後するケースがありますが(全く異なる銘柄なので当たり前ですが)、よく似た動きが続いています。NY原油は75ドル前後での推移を続けていますが、ここから出直ってくれば、豪ドル・円は一段高となりやすいといった見方ができそうです。逆に原油が失速すると、豪ドル・円も上値を抑えられる可能性が出てきそうです。



2010年9月27日

(オーバルネクスト/佐藤 昌彦)

株式会社オーバルネクスト 情報企画グループ 主任研究員 佐藤 昌彦

担当
為替、日経、商品先物市場
信条
ファンダメンタルズによる解説だけでなく、データの統計的な分析や、サヤ取りなどにより、なるべくリスクを抑えて、投資家の方が優位性を持てるような情報の提供を心がけています。
経歴
1994年にゼネックス(現オーバルネクスト)入社。現在、主任研究員。為替・金融・コモディティのアナリストとしてマーケットの分析・記事の執筆作業に従事。現在は為替や日経の分析記事の執筆が中心。データの統計的な分析を得意としており、日経平均、ドル・円、ユーロ円など為替市場の日中足を用いた分析記事の執筆も担当。

株式会社オーバルネクスト

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